楽天滝中瞭太投手(28)が連日、精力的に投げ込みを行っている。オフの期間中にテークバックを小さくするフォームに改造。21年は10勝を挙げたものの昨季は2勝に終わり、巻き返しを図る。キャンプ初日はブルペンで100球、2日目は120球、この日は140球と日に日に投球数がアップ。新たなフォームを確かなものとするため、腕を振り続ける。

   ◇   ◇   ◇

暖かい日差しが注ぐ沖縄・金武キャンプ。滝中はブルペンの一番端で3日間、投げ続けた。クイックから、テンポ良く捕手のミットを鳴らした。「ずっとやっている人たちは貯金がありますけど、ないので…。質もそうですけど、量もしっかり確保して、反復練習します。毎日ブルペンに入って、しっかり感覚を失わないようにしたい」とうなずいた。

昨年の秋季キャンプからフォームを変更。しかし、直球の最速が120キロまで落ちた。「力の入れ方が分からない。バランス良く投げた中で、力が伝わっている感覚が本当になかった」と振り返る。テークバックが小さい後輩、宮森智志(24)から助言を受けたり、岸孝之(38)ら多くの投手の投球動画を見続けた。変えることに怖さはあった。「昨年の結果を見て、あれを続けたところで中途半端だったら、大きく(変える)。実績もそんなにある方ではない。変えて失うものと得るものをてんびんにかけた」と語る“覚悟の大改造”だった。

徐々に手応えをつかみ、現在の球速も例年のこの時期に比べて速くなってきた。今季は、規定投球回の到達が目標。そのためにまず、出場機会をつかんでいく。「ローテーションに入るところが第一のステップ。もし入れなかったとしても、7枚目、8枚目にいておかないと、何かあったときにすぐ呼んでもらえないと思う。そこへのアピールがまずキャンプで大事。底上げじゃないですけど、そういう立場にいることは分かっているので、求められている以上はそこをやっていかないといけない」と覚悟を示した。【湯本勝大】

【関連記事】楽天ニュース一覧