日本ハムのドラフト1位矢沢宏太投手(22=日体大)は沖縄・名護での春季キャンプ中の練習では投打の二刀流を“封印”する。

3日、キャンプイン後は初となるブルペン投球を行った。この日は投手のメニューに専念。今後も日によって投手と野手それぞれに専念することになった。投打のレベルを底上げし、焦らずに二刀流を仕上げていくつもりだ。

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矢沢流キャンプの輪郭が、はっきりとした。練習メニューの投手欄に「矢沢宏太」の名前が初めて載った第1クール3日目。全体アップが終わると、投手陣がキャッチボールをするサブグラウンドへ移動。メイン球場では投内連係を投手として見学。さらにブルペンへ移動し、肩を温め直した後に投球練習。朝から夕方まで、投手・矢沢のまま1日を過ごした。

矢沢 今日みたいにピッチング(ブルペン)がある日は全てピッチャーと同じ動きをしていく。ピッチング以外の日は野手のメニューをやっていく感じです。

1クールに1回を目安にブルペン入りする日は投手、それ以外は野手という日替わり専念スケジュールが組まれているという。

ポテンシャルは高くても、経験値が足りない野手の練習に比重を置く。建山投手コーチは「野手の方がプロとしては課題がある。(キャンプ中の)割合的には野手の方が増える」と、説明。大学時代は投手中心で過ごしてきたため、投打二刀流で活躍するサイクルを確立するため、キャンプ中は外野守備や走塁、打撃に時間をかけるのがチーム方針。矢沢流の投打セパレートキャンプとなる。

投手練習の比重が少なくても、二刀流ならではの気づきが成長を助けてくれる。この日のブルペンでも、野手として出場した1日の紅白戦から「プロのピッチャーはいいボールがいく確率が高く、再現性がすごく高いなと思った。10球中8、9球くらいの確率まで上げたい」と、明確な課題を持って臨んだ。建山投手コーチも「すでにプロのボールですよね」と、現時点での投手調整は順調だ。

投手としては、対外試合でデビュー戦を迎えることになりそう。他の新人投手は11日の紅白戦で実戦デビューを予定するが、日々のコンディションを見極めながら調整する矢沢は楽天との練習試合(金武)が行われる12日以降になる見通し。キャンプ中はバリバリと投打二刀流をこなすのは一休みとなるが、“一刀”ずつ丁寧に磨きをかけ、焦らずに投打を仕上げていく。【石井翔太】

○…新庄監督が1年ぶりに「DJ・SHINJO」に変身した。午前中に行われた野手陣のケースノック時に「SHINJO STAGE」に登壇。マイクを持って「送球ミスしたら、もう1回ね」と、野手陣にあえてプレッシャーを与えてスタート。「80%でいいから(送球)相手が投げやすい場所に投げてあげる」など具体的な言い回しで選手に指令。緊張感のある練習を演出した。

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