楽天岸孝之投手(38)が、マイペース調整を貫いている。沖縄・金武キャンプ4日目で初めてユニホームを着てブルペン入り。ブルペン捕手に立ってもらい、78球を投げ込んだ。他の投手たちがどんどん投げ込んでいく中、自身の状態をしっかり見極めている段階。開幕へ向けて、焦らずじっくりと進んでいく。

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「健康であればなんでもできる」。岸は、アントニオ猪木さんばりの言葉を発し、何度もうなずいた。キャンプ初日からブルペンに入ったが、トレーニングウエアでの投球。この日、初めて背番号「11」のユニホームを着てボールを繰り出した。ブルペン捕手に立ってもらいながら78球。左足を上げてから静止したり、2段モーション気味にしたりと、バランスを意識した。

コンディションが最優先。「ケガしちゃうと若いときと比べたら治りも早くはないでしょうし。そういうところが一番大事かなと。無理せず頑張ります」と冷静さを貫く。キャンプ最初の3日間は、遠投などに重点を置いた。「その日の体の調子と状態を見て、まだまだ初日とかは入れるような感じじゃなかったので、とりあえず様子を見ながらやってきて、今日行けるかなと思って。周りに流されないように自分のペースでやっていこうと」と説明した。

チーム最初の対外試合は12日だが、シーズン開幕は1カ月以上先。「まだまだ時間はあるのでゆっくり調整していきたい」と力を込める。何年もプロ野球の最前線で投げてきたからこそ、状態の上げ方も熟知している。マイペース調整だからと言って、若手たちに先発ローテーションを譲るつもりはない。「1年間ローテーションを守ってというところがベストですけど、そこはチーム状態とか僕自身の状態とかもあるので、分からないですけど。1つでも多くチームの勝利に貢献できるのが一番」。自身の最善策で、開幕へ向かっていく。【湯本勝大】

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