阪神西純矢投手(21)と才木浩人投手(24)が御前投球でバッチリ存在感を示した。

昨年12月に就任した杉山健博オーナー(64)と秦雅夫球団会長(65)がこの日、宜野座キャンプ初視察に訪れた。ブルペンで岡田監督の隣に座った杉山オーナーは2人に熱視線。西純は「気付いていました。多少は(力が)入るかも」とニヤリ。「いつも真ん中が多かったですけど、今日は端っこでしれっと投げられたかな」と納得顔だ。

左端のブルペンでオーナー、監督から距離があったこともあり、力み過ぎることなく102球を投げ込んだ。昨季6勝の西純の横では、昨季右肘手術から復活して4勝した才木も100球を投じた。

岡田監督は「野球の話はそんなしてないで」と話しながらも、2人の投球をチェックした杉山オーナーについて「好きやなあ、野球。そら大体分かってるやん。昨年活躍して今年も期待されている、そういう選手はな。『やっぱり違うなあ』とは言うてたけどな」と明かした。

06年の阪急阪神ホールディングス経営統合から今回初の阪急出身オーナーとなった新総帥を、西純と才木の2人がうならせた形だ。

先発候補にはエース青柳、伊藤将、西勇、岩貞らが並ぶが、岡田監督は「ローテーションにあの辺が入ってほしいというのはある。入らんと活性化しないわな」と若き右腕コンビが食い込むことを望んでいる。「あの辺はまだ相性とかないからな。どこのチームも関係なしで、どんどん投げていかなあかん年齢やしな」。隠すことなく今後、実戦を重ねていく考えだ。

指揮官の熱い思いに、西純は「すごくうれしいですけど、打者を抑えていくことが大事」と気を引き締めた。浮かれず結果を残して、開幕ローテの座を勝ち取るつもりだ。【石橋隆雄】

■青柳ブルペン3連投

青柳が休日を挟んでブルペン3連投し、この日は変化球を全球種試しながら76球を投げた。「今日はカーブが一番よかったと(受けた坂本)誠志郎さんに言われました。球数を投げていくうちに、いいボールも何球もあった。この時期にしては、まあまあ投げられているんじゃないかと話しました」。開幕投手の本命は順調に調整を続けている。

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