ロッテに3年ぶり復帰の沢村拓一投手(34=レッドソックス)が5日、沖縄・石垣島のキャンプでチーム練習に合流した。チーム便より先に早朝から練習会場に入る姿は、合流初日から“沢村流”だった。

「僕は朝6時くらいからやりたいのでお願いしています。基本的には技術練習する前にトレーニングを済ませたい。体が疲労したあとにトレーニングするのは、あまり効率的ではないと思っている。朝やることによって1日の時間を有効的にも使える。アメリカに行く前からそうだったし、そのスタンスは変えるつもりはないです」。

佐々木朗希投手(21)らと同じ第2球場でのアップ組となり、長髪を後ろで束ねるヘアスタイルで登場。練習前の円陣でスタッフから紹介され、仲間からの拍手を浴びた。

「和気あいあいとする中でも厳しさもあったりしながら、練習出来たんじゃないかと思います。比較的時間が合う時は日本のプロ野球を調べたり、見るようにアメリカでもしていた。全員の名前を覚えるのは時間がかかっちゃうかもしれない」。

柔軟運動では昨季まで同じメジャーリーガーだった新外国人ルイス・カスティーヨ投手(27=タイガース)とコンビを組んだ。スパイクに履き替えてキャッチボールを開始。中大の先輩でもある美馬学投手(36)とのペアで約80メートルの距離を伸ばした。

その後はサブグラウンドで投内連係練習。最初のプレーは一塁の守備でゴロを受け、ベースカバーに入った鈴木昭汰投手(24)にトス。自身が投ゴロを処理して二塁ベースカバーに入った佐々木朗に送球する場面もあった。好プレー後に、佐々木朗が帽子のつばを触ってあいさつすると、オレンジ色のグラブをつけたまま両手を上げてジャンプして返答するなど、空気を和ませた。加入したことによるチームへの効果、影響についても、こう言った。

「自分1人が入って劇的に変わることはないと思うんですけれど、しっかり地に足つけて取り組めたらいいなと思います。常に前向きに、短所を直すよりも長所を伸ばすことのほうがいいんじゃないかと思う部分もある。イエスマンはいらない。ハイハイ言って目上だったり、周りの目を気にしてやることはやめようと。自分の人生だし、自分の野球人生。だから自分のことは自分で考えないといけない。自分の経験していることしか身にならないと思う」。

佐々木朗希は日本のボールからWBC公式球(メジャーリーグ公式球)への対応を求められているが、沢村にとっては逆だ。ロッテ入りが決まってからはNPB公式球でキャッチボールなどをしてきたが、順応はまだまだの様子だ。

「2年間、マウンドの傾斜だったり、硬さだったり、ボールが違うところでやってきたので、ボール(の対応)にはもう少し時間がかかると思う。ブルペンの予定はめどは立てていないし、自分の体の反応だったり、いろいろなことを考慮しながら決めていきたい」。

テレビ局クルーの一員として取材で訪れた元メジャーリーガーでもある藤川球児氏(42)とあいさつを交わし、抱擁するなど、終始笑顔で復帰初日の練習を終えた。【鎌田直秀】

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