世界を知る男から金言だ。本格始動した黒田博樹球団アドバイザーがまず声をかけたのが、WBC公式球でキャッチボールする日本代表の栗林だった。「シーズン中に(試合で使う)球が変わるのが投手にとって、一番大変なことだと思います」。短期間でWBC球に適応させると、感覚的にも、広島合流後にも影響が出かねない。「WBCのために変えると、逆に違和感が大きくなっちゃうんじゃないか」。自分の感覚を変えて球に合わせるだけでなく、自分の感覚のまま異なる変化を受け入れることもできる考え方などを伝えたという。

WBC球ではフォークの落ち方が弱く感じる一方で、カットボールの曲がりは大きい。前日は新井監督が驚いたほど。2日連続ブルペン投球となったこの日も、大きく変化した。栗林は「めちゃめちゃ違和感を感じているわけではないので、どんどんしっくり来るまで継続していければ」と、教えを取り入れながら世界の舞台に備えていく。

黒田氏は栗林だけでなく、初日からブルペン入りした投手らを中心に、積極的にコミュニケーションをとった。各投手の信頼度の高い球種や取り組んでいることなどの情報を収集しながら、助言を送った。初日を終えた黒田は「まだまだ話し足りないところもありますし、みんなとしっかり話ができていない。僕も勉強して、サポートできればいいかなと思っています」と振り返った。

7年ぶりに現場復帰した黒田氏の姿に、新井監督は「黒田さんには期待しかしていないです。初日でしたが、精力的に動いてくださったので、本当に期待しています」と喜んだ。【前原淳】

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