オリックス中嶋聡監督(53)が5日、速球の威力が戻らないWBC日本代表の宇田川優希投手(24)を一刀両断した。

自主練習も含め4日連続でブルペンに入った宇田川の表情はさえなかった。WBC球の感覚をつかめない。悩む姿を見てきた中嶋監督は「今のままじゃ使い物にならないのでは。ボール(のせい)じゃない。調整不足じゃないですか。全くでき上がっているように見えない。そういうところ(代表)に入っている自覚があるのか。甘さですね」と容赦なく切り捨てた。

昨年7月に支配下登録され、150キロ台中盤の快速球とフォークを武器に中継ぎエースになった。日本一の「陰のMVP」と評された大活躍で、侍ジャパンにも大抜てきされた。期待感マックスで迎えた今キャンプだったが、昨年の迫力は見る影もなかった。

しかし-。監督の心配の裏で風向きは一変していた。山本やコーチに助言を受け、午後にもう1度ブルペンへ。右腕ばかりに意識がいき、下半身を生かすフォームを見失っていた。「やっと解放された。(リリースが)バチンといく感覚があった」。別人のように晴れ晴れとしていた。

中嶋監督には「なんだあの球は」「大丈夫か?」と会うたびに毒づかれていた。宇田川は「3日あれば大丈夫です」と冗談含みで返していた。「次のクールが楽しみですね。もう大丈夫です。自信あります」。7日からの第2クールでは打撃投手を予定。まずは、中嶋監督の怒りを早めに解きたい。【柏原誠】

【キャンプ写真速報】ロン毛のロッテ沢村、山本由伸にシャトーブリアン10頭分…など