阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22=中大)が1、2軍合同で行われる11、12日の紅白戦(宜野座)で実戦デビューすることが5日、確実となった。

2軍キャンプを初視察した岡田彰布監督(65)が明言した。この日は指揮官の熱視線を浴びながら、フリー打撃では78スイングのうち柵越え15発で猛アピール。右足の肉離れで2軍キャンプスタートと出遅れていた開幕右翼レギュラー候補が、11日にも虎初実戦に臨む。

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1発1発に拍手が送られる中、岡田監督の両目は打球の行方にくぎ付けだ。左翼から右翼方向へ風が吹きつける中、ドラフト1位森下は逆風をものともせず左翼へ9度アーチを放った。中堅フェンス越えも4発、右越えは2発。2軍キャンプ初視察となった指揮官は「もう見ての通り。良かった」と納得顔でうなずいた。

開幕右翼の有力候補として期待がかかる中、右足の肉離れで2軍キャンプスタートと出遅れていた。まだ別メニュー調整が続いている。それでも岡田監督は「紅白で1打席くらい立たせたろかと言うとったけどな。新聞用にな」とニヤリ。じかに状態を確認した上で、11、12日に予定される1、2軍合同の紅白戦に出場させる意向を明かした。

この日は午前中にダッシュのメニューをこなすなど、右足の回復具合は順調。今後は第3クール初日の9日に2軍本隊に合流し、11日にも紅白戦で虎初実戦に臨む。さらに指揮官は「あと10日とか、それぐらいで(1軍に)合流できれば」とイメージ。第4クール初日の14日にも1軍合流が見込まれる。

翌15日にはチーム23年初の対外試合となる練習試合・楽天戦(金武)が予定されており、岡田監督は「その辺でちょっと実戦に出られたら…というね」とも説明。順調に経過すれば、この一戦が本格的な実戦復帰戦となりそうだ。

森下自身は指揮官からの高評価にも「そこまでいい出来ではなかった」と厳しめに自己採点。一方で「パワー自体は戻ってくるどころかパワーアップしているのかな」と手応えも隠さない。紅白戦に向けて「1打席でもチャンスをもらえるのであれば、できる力を出したい」と気合十分だ。

プロ1年目は負傷の影響でスタートダッシュにつまずいたが、岡田監督は「十分取り返せると思うけどね」と巻き返しに期待をかける。「自分のできることをアピールして、開幕スタメンを取れたら最高。そこに向けて頑張れたら」と森下。開幕右翼の有力候補がいよいよ本気で走りだす。【波部俊之介】

○…和田2軍監督は6、7日に行うシート打撃には森下を参加させないと明言した。「外で普通の時間のバッティングも今日初めて。そこは段階を踏んで」。紅白戦での起用についても「監督が言うのは、出しても1打席。守備につくことはないと思う」と見通した。実戦復帰への道筋が一気に開かれたこの日。「それくらい魅力があったんだと思う」と森下のポテンシャルに目を細めた。

○…森下は臨時コーチを務める赤星氏の走塁塾を見学した。塁を回る角度、帰塁の姿勢などを吸収。「また走れるようになってから実践して自分に取り入れれば」。特に帰塁の際、「左手で戻るイメージ」という同氏の言葉が印象に残る。「自分も走塁は意識している部分。ノートに刻むなりして忘れないようにしたい」。走攻守での活躍が期待されるドラ1が、レッドスターのエキスを吸収した。

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