西武のA班(1軍)春季キャンプが6日、12球団の大トリとして宮崎・南郷で始まった。WBCに出場する主砲の山川穂高内野手(31)は初日からさっそく日没後の午後6時13分まで、数回の休憩込みで計8時間強の猛練習。この日までの合同インタビューでは「最大のライバルは中国」と、WBC1次ラウンド初戦に全集中する思いを話した。【取材・構成=金子真仁】

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山川の1年が始まった。昨季は本塁打と打点でリーグ2冠。2月中旬には侍ジャパンに合流する。でも、決して想像しすぎない。

「未来のことイメージしても、明日どうなってるかなんて誰も予想してないわけであって。それこそ1カ月後なんてどうなってるかさっぱり分からないから。今しっかりできる、今を生きるっていうのがすごく大事。WBCなんか、より、そうですよ。絶対に先見ていいことないです。これ、人生でもそうです」

だからこそ。

「最大のライバルは中国です。これはちょっとね、どうしてもウソはつけないんで。まじでアメリカのこと、考えてないんすよ。考えられるわけもなくて。アメリカにフォーカスしまくりじゃないですか。絶対足をすくわれるんで、そんなことしてたら」

思いが続く。

「初戦がアメリカなら、そりゃアメリカですよ。初戦中国なんで、中国ですよ。中国の投手、どんな球投げるの? のほうが大きいです。まずは中国、というかもう最初で最後、中国で出し切りっす。温存とかないです。中国で出し切る。絶対、中国に絶対勝つが正しいと思います、僕は」

熱さがほとばしる。大事な大会と捉える。

「日々の練習のモチベーションは、あの動画を見て何回も上がりました」

09年第2回WBCの、イチローのタイムリーだ。

「僕がプロ野球の中で好きな動画が何個かあるんですよ。その1つ。モチベーションがそれによってかなり上がり続けたことで、練習を乗り越えてきたのはいっぱいあるんで」

同じような存在になれる力は秘める。しかし。

「そんなうまくいかないでしょ。絶対うまくいくはずないんですよ、世の中。だから今できることをやるんです。イメージしてもイメージ通りにいくことなんかほとんどなかった。だから今頑張るしかなくて」

この日もキャンプ初日から日没後まで打ち込んだ。変わらず、こつこつと。

ダルビッシュ、大谷らメジャー勢も集まる。ただ情報交換が楽しみかというと「あまりそこは考えていないです」と話す。

「最初はしゃべりますけど、必要な情報は聞きますけど。仲良しになりに行くわけじゃないので。全然しゃべらなくてもしゃべっても、優勝すればいいと思うので。当然のことだと思います」

球宴でも輪の中心になってきたムードメーカーの言葉だけに、深く響く。

■日没後まで打ち込み

山川は初日から室内練習場で西川とともに日没後まで打ち込んだ。「もちろん(もっと)打ちたいです、本当は。ただ初日はこんなもんで」と振り返った。この日は雨天で「外で打ってみての部分は正直あります」としつつ「キャンプインは素直にうれしい。待ちわびていたので」と笑顔。午後6時半まで傘をさして待った約20人のファンにサインし、宿舎に戻った。

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