MVPのMVPは熱男! 新加入の巨人松田宣浩内野手(39)はシート打撃での移籍後“初安打”を記念の1球にした。宮崎キャンプ最終日の14日。今季自身初のシート打撃の第3打席、育成左腕富田から左中間へ二塁打を放った。二塁ベースに到達すると、中継に入った遊撃門脇を見つめ、両手を広げた。「ボールくださーい」とリクエスト。受け取ると、大事そうに尻の右ポケットにしまった。「ジャイアンツのユニホームを着て、シートとはいえ実戦初安打ですから。宝物にします」と興奮気味だった。

原監督は宮崎キャンプMVPに大久保打撃チーフコーチらを選出。その大久保コーチからMVPとして、小林とともに名前を挙げられたのが松田だった。朝7時開始のアーリーワークから熱かった。若手と同じように1日1000スイングの量もこなした。ファウル打ち練習で苦戦しても、感情むき出しで明るくマシンに向かった。シートノックでも盛り上げた。ベテランが示す背中、響く声はチームに新しい風をもたらした。

18年目の39歳は新人のつもりで日々を送る。「ジャイアンツ1年目。ルーキーの気持ちで、これまで17年間を忘れて」とどん欲なアピールに燃える。朝5時半に起きるキャンプは近年でも一番の練習量だと胸を張る。バットのヘッドを立てる意識を強めた新フォームも「打球も若返った気がする」と手応えがある。

宮崎キャンプを振り返り「120熱男だ!」と声を張り上げ、バスに乗り込んだ。「沖縄に頑張って行ってきます」と南国で熱男のボルテージはさらに上がっていく。【上田悠太】

○…原監督が宮崎キャンプMVPに、大久保打撃チーフコーチと川相総合コーチを選んだ。「新しい風を本当に入れてくれたという点ではデーブでしょうね」。打撃ではキャンプ2日目からアーリーワークを毎日敢行。守備では川相コーチが反復練習を促し熱血指導した。「私自身の独断と偏見のMVPであるならば、この2人の名前を挙げたい」と、攻守で下支えしている両コーチをたたえた。

○…中田翔は巧みに3安打をマークした。今季自身初のシート打撃で、第1打席は左前打を放つと、第2打席、第3打席は右前に運んだ。ともに腕をたたみ、内側からボールにバットをぶつける技ありの安打だった。「打席で変化球、150キロ近いボールを見られたことがプラス。ヒットはおまけみたいなもの。今の時期は強引にいってもファウルにしかならない」と実戦勘を高めていく。

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