巨人オコエ瑠偉外野手(25)が、チーム初の対外試合で「1人先制点」を挙げた。キューバ代表との練習試合で3回、中前打で出塁すると、二盗を仕掛け相手のミスが重なり、1人で生還した。バットでも足でも存在感を示した先制点の裏には、新天地での“お声”があった。また先発ローテーションの一角に期待されるフォスター・グリフィン投手(27=ブルージェイズ)が先発。弓矢投法から繰り出す「グリカット」で、2回無安打無失点の実戦デビューを果たした。

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一塁塁上にいたオコエは、いてもたってもいられなかった。3回先頭で直球をクリーンヒットさせ中前打。「走ってもいいですか」。一塁の鈴木外野守備兼走塁コーチに了承を得た吉川の打席、初球から二盗を仕掛けた。完全セーフのタイミングで滑り込み、悪送球も重なり三塁へ。さらに3球目が暴投となり、1人でダイヤモンドを1周した。

バットでも足でも存在感を発揮したチーム初の対外試合。しかも相手はWBC初制覇を目指すキューバ代表だった。「9番右翼」の起用に「自分のこの立場では、のうのうとはいられない。しっかり結果を出さないと」とわきまえる。最後列から生き残るには、結果を出し続けることが何よりのアピール材料。同時に、宮崎から那覇に場所を移しても走攻守のレベルアップを図り続けてきた。

新天地でスペシャリストの“お声”に耳を傾ける。走塁は鈴木コーチ。「自分が憧れていた選手がコーチでやられていて、いつでも質問ができる環境」。打撃は大久保、亀井両打撃コーチ。「亀井さんから重心を低くしてみたら」といわれ、練習で手応えをつかんだ。「バントは川相さんとか。ジャイアンツにきて本当に学びがありすぎて、バッティング、守備、走塁、どれを挙げればいいかわからない」と野球に没頭する。

どれだけ充実した日々を送っても危機感は拭いされない。12日の紅白戦で四球と投ゴロでの併殺打に終わった。「あの試合で2軍行きっていわれるかもって思った」。再び訪れたチャンスだった。「貪欲にいきたいと思います」と、声に導かれながら開幕1軍をつかみにいく。【栗田成芳】

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