阪神岡田彰布監督(65)が、助っ人右腕トリオに怒りを爆発させた。26日オープン戦日本ハム戦(名護)にブライアン・ケラー投手(28=レッドソックス3A)、ジェレミー・ビーズリー投手(27=パイレーツ3A)、2年目のカイル・ケラー投手の3人を今季初実戦登板させた。だが、全員そろって失点し、内容もさっぱり。指揮官は「いやあ、やっぱり見ての通りよ。はっきり言って。日本の野球をなめたらあかんよな」とあきれかえった。

先発候補のB・ケラーは3回から登板し、いきなり安打と死球で一、二塁とピンチ。1死一、三塁、4番野村の場面では初球に江越に簡単に二盗を決められ、2球目に暴投で1点を失った。2回1失点。岡田監督は「もうずっと(キャンプ)半ばから言うても、投げへんねんからしょうがないわな。全然ボール来てないみたいやし」と、投げ込み不足と指摘してもスロー調整を続ける右腕に厳しかった。B・ケラーも「直球の出来は5割程度。球威、制球とも物足りないのでもっと練習したい」と、ようやく現実を受け入れた。

本来の抑え湯浅がWBCに参加し、開幕時の代役として期待するビーズリーは最速157キロを計測したが、清宮には外角低めを狙った152キロ直球が逆球の内角高めに入りライナーで右翼に運ばれた。1回1安打1四球1失点だった。

K・ケラーは1点リードの7回に登板。味方の失策もあったが1回3失点(自責2)で逆転負けの敗戦投手となった。「(起用するのが)怖いもん。力任せやな。直球にキレがない」と勝利の方程式入りは難しいと話した。「まあ、ちょっと計算が狂うわな。いろんなんがまた考えなあかんかもわからんわ。あの状態じゃな。上がってきそうにないと思うで。普通に考えてもな」と、このままでは助っ人投手抜きで開幕を迎えることもあり得る。【石橋隆雄】

◆B・ケラー 2日に初めてブルペンに入り、45球。9日には2度目のブルペンで、56球を投じた。初めて打者に投げた14日には、140キロ後半の直球に変化球を合わせ、打者計4人に対して23球。20日には2度目の実戦形式の打撃練習で、打者11人と対戦。42球を投げたが、3連打を浴びるなど精彩を欠いた。

◆K・ケラー 2日に初のブルペン投球を35球。5日には昨年覚えたフォークも試した。16日には初の打撃投手を務め、打者7人に安打性3本、四球2。20日の2度目の実戦形式の打撃練習では、5人を相手に最速152キロ、安打性0、1四球にまとめた。

○…浜地真澄投手が貫禄の投球を見せた。ビーズリーら助っ人投手がそろって失点する中、5回に3番手で登板した浜地は1イニングを1安打無失点、最速は151キロをマークした。浜地は「先頭打者のとき(宇佐見に右前打)はしっくりしてなったんですけど、そこからはまってきた感覚だった」と振り返った。助っ人投手に辛口だった岡田監督も「普通に投げとる」と安定した投球ぶりを評価した。

○…新外国人のヨハン・ミエセス外野手(27)がオープン戦初安打を放った。日本ハム戦に「6番指名打者」で先発し、1回2死三塁で左腕根本のチェンジアップを拾って左前へタイムリー。続く井上の安打で三塁まで激走するシーンもあった。助っ人は「ヒットになったことはいいですけど、自分の思い描いたいいコンタクトではなかったと思います」と冷静に振り返った。岡田監督は「初めて変化球が当たったな。日本のピッチャーの特性を徐々につかんでいってな」と、実戦で日本の投手に慣れることを期待した。

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