北海道に華やかな応援が戻ってきた。日本ハムが14日、西武と、エスコンフィールド北海道こけら落としとなるオープン戦を行った。

この日から声出し応援が解禁。1万1061人の観衆が、コロナ禍前のように、熱い声援を贈った。札幌ドームでは左翼席にいた応援団は、新球場では選手により近い一塁側スタンドから旗を振り、トランペットなど鳴り物も使って、盛り上げた。

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新時代の声援が、エスコンフィールドに鳴り響いた。昨季までは太鼓だけだったが、この日から甲高いトランペットも加わり、一気に華やかさを増した。「全国闘将会」の15人がオレンジ色の法被をまとい音頭を取ると、リズムに合わせ、日本ハムのユニホームを着たファンが一斉に「かっ飛ばせー清宮っ!」と声を上げた。

札幌ドームでは左翼スタンドに陣取っていた応援団が、新球場では一塁側3階席に。日本ハムのベンチの斜め上付近からエールを送るような格好になる。全国闘将会の植草圭吾会長(44)は「今までずっと外野で応援してきたが、野球がすごく近く見える。新しいことにチャレンジする球場として、ファンの皆さんと一緒にここから発信できたら」。新たな舞台では、応援団も選手との距離を一気に縮める。

待ち望んだ瞬間だった。3年ぶりに、鳴り物ありの応援。応援歴30年以上の全国闘将会の杉崎仁徳代表(47)は「長かった。3年間、思うように応援ができなくて。エスコンフィールド開業というタイミングで、こういう状況に戻って良かった」。コロナ禍で封じられた野球ファンの肉声が、スタジアムに帰ってきた。

この日は、ファンクラブ会員と年間シート購入者の一部の入場だったが、球場の至る所にちりばめられた心遣いは早速、観客の胸に届いた。一塁側スタンドで観戦した恵庭市の佐々木勇さん(67)は「(クッション入りの)座席シートが座りやすい。天然芝もきれい」。栃木から訪れた塚田梨恵子さん(34)は外野ブルペン近くの席で観戦し「札幌ドームではブルペン投球は見られなかった。試合に出ない選手も見られる」。開幕の30日は、この何倍もの熱気が、チームの勝利を後押しする。【永野高輔】