スタンドのざわつきを不思議に思い、1度打席を外した直後だった。巨人広岡大志内野手(25)はその数秒後、左翼席へ1発を放り込んだ。カウント1-2と追い込まれた5球目、ソフトバンク有原のフォークに泳ぎながらもスタンドに運んだ。「なんかあったんやなと思って。それが岡本さんっていうのは。うれしかったです」と、シンクロだったことは後から知った。

ペイペイドームからはるか離れた東京ドームで、侍ジャパンの岡本が会心の3ランを放った。その直後、智弁学園の1学年先輩に呼応するように、広岡が同じ打球方向へ、同じく泳がされるようなフォームからスタンドイン。「たまたまやと思いますけど」。キャンプは2軍暮らしだったが打撃面で岡本に相談。構えた際の肩のラインについて助言を受けた。「そこはキャンプ中から意識してやってきたので(本塁打に)つながったと思います」と共鳴は偶然だけではなかった。

原監督も「いいものが出ましたね。それはもう智弁の監督さん喜んでるよ。日本国民は喜んでるよ」と称賛した。14日から1軍合流したばかりで、開幕1軍にアピールする立場は変わらない。広岡は「僕もレギュラーとれるように頑張って、三遊間を組めるように頑張りたい」と思い描いた。【栗田成芳】

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