ソフトバンク上林誠知外野手(27)が開幕スタメンどりへ、がっついた。8回、同点に追い付いてなお2死満塁で、DeNA三浦から右前2点適時打。2球で追い込まれたが、3球目のチェンジアップをとらえた。「本番でもいい場面で打てれば」。クールに冷静に振り返った。

試合前までの3打点は2ランとソロ。本塁打以外で打点がなく、得点圏では10打数1安打だった。「チャンスで打ててない。打点はホームランやからね。チャンスになったらもっとがっついてもらいたいのにさ…」。試合前、藤本監督が報道陣に漏らしていたぼやきを聞いて発奮したかのような決勝打。指揮官は「マスコミさんが書いてくれたのを見てくれたんちゃう?」と冗談を飛ばしながら。「今日は初球からどんどんどんどんいってたね」とうなずいた。

中堅レギュラー最有力候補は、侍ジャパンに招集されている牧原大。しかし、上林が突き抜けた結果を残せば状況は変わる可能性がある。これまで藤本監督は好調の上林が中堅に入り、牧原大が本来のポジションである二塁に入るプランも明かしている。オープン戦は13試合に出場し、36打数12安打で打率3割3分3厘、2本塁打、5打点。十分なアピールを続けており、この日は勝負強さを発揮した。

上林は開幕スタメンへの思いを問われ、言った。「今までのコメントを使ってください。同じことを思っているので」。そのコメントは「首脳陣に使いたいと思わせるしかない」。実力行使で開幕中堅を奪いにいく。【只松憲】

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