ルーキーが開幕1軍入りへ大きく前進した。

日本ハムのドラフト6位宮内春輝投手(26=日本製紙石巻)が7回に登板し、1回1安打無失点と好投。巨人丸らから3三振を奪う快投で、チームの今季オープン戦初の無失点リレーを演出した。首脳陣はワンポイントやロングリリーフなど、幅広い起用プランを口にして評価した。

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右横手投げのドラ6が巨人ファンの大歓声を逆手に取った。宮内は7回に4番手で登板すると、門脇を148キロ直球で空振り三振。安打と四球で1死一、二塁と走者を背負ったが、丸もカウント1-2から外角への直球で空振り三振に斬った。「偉大なバッター。名前負けせず強気にいけたのは良かった」。続く松原もシンカーで空振り三振と、3アウトすべて三振で奪ってみせた。

新庄監督も絶賛だ。「生きがいい。左打者も打ちづらそうだし、丸君に投げた最後のボールなんかも。俺キャンプで言ってましたよ。左バッターにいいんじゃない? って。右バッターもね、わざと荒れるボールが投げられていたらすごいですね。いいですよね」。サイドから独特のフォームで投じられる強い直球は微妙に変化する。丸へのウイニングショットを、宮内は「ナチュラルに外にいったのかも。左打者も特に苦手意識はない」と振り返った。

終盤7回の勝負どころで見せたルーキーの快投が、今季初の無失点リレーをお膳立て。新庄監督は「なんだかんだ言っても、ゼロで抑えるっていうのは大したもの。難しいことだから」と収穫を口にした。

肝っ玉の座った新人の投球に首脳陣の評価もうなぎのぼりだ。11日の阪神でも6球で3者凡退。建山コーチは「あの投げ方であそこまで強いボールを投げられるところが魅力的。先発以外の全部で考えている。ロングでできるピッチャーが少ないが、彼は可能性がある」と、幅広い起用を思い描いた。

猛アピールにも宮内は「真っすぐとかで空振りが取れているのは手応えがあるけど、オープン戦とシーズンはまた違ってくる」。26歳のオールドルーキーは1つの結果で一喜一憂しない。常に目の前の打者に全力投球し、ベストな答えを導き出す。【永野高輔】

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