“吉兆”盛り盛りで、下克上だ! 昨季最下位の日本ハムはヤクルトとのオープン戦を引き分け、11勝6敗1分けで、栗山監督時代にリーグ制覇した12年以来の2位フィニッシュを決めた。WBCで侍ジャパンが世界一になった06年、09年の過去2大会ではリーグ優勝しており、吉兆が重なった。新庄剛志監督(51)は「勝ち癖という面では選手に伝わった」。新本拠地エスコンフィールドで30日楽天戦で単独開幕を迎える。優勝を期す就任2年目に、開幕ダッシュの準備が整った。

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白星フィニッシュこそ逃したが、新庄監督の目は希望に輝いていた。昨季のセ・リーグ覇者を相手に投手戦で引き分け、2年目のオープン戦は18試合で11勝6敗1分けの貯金5。単独2位という結果に「勝ち癖っていう面では選手たちに伝わったと思うし、そういう気持ちになってくれたと思う」と、チームの変化に手応えを口にした。

5本塁打で“オープン戦キング”に輝いた清宮を筆頭に、チームで積み上げた15本塁打、29盗塁は12球団トップだ。この日も8回1死一、二塁から、五十幡が三盗を仕掛け二、三塁間で挟まれ憤死。失敗はしたが「アウトになってしまったけど、全然いい。五十幡君が走った瞬間に捕手は焦る。オレは(捕手の)コントロールミスを考えてるから」と、攻めの走塁を評価した。

昨季リーグ5位だったチーム防御率は、12球団3位の2.43と飛躍的に改善した。開幕4番は高卒5年目の野村と決めており、オープン戦不振も「大丈夫ですよ、大丈夫」とブレない。そんな指揮官の気持ちに、野村も「ボスの期待に応えたい一心です」と気を引き締めた。

“吉兆”も、優勝を狙う新庄監督を後押しする。前回オープン戦2位だった12年は、栗山監督のもとリーグ制覇。過去、侍ジャパンがWBCで世界一になった06、09年は、いずれもパ覇者となっている。

新庄監督 ここまでは思い通り。(開幕後は)これ以上のものが出てくる予感がする。カッコイイじゃないですか。去年、若い選手ばっかりだったチームが大きく成長して、今年のシーズンを引っ張って行くチームに変わってくれたら。

他球団に先駆けて、新球場で迎える30日の開幕戦。オープン戦の勝ち方をベースに「これを崩さず開幕ダッシュ! この流れをシーズンでもやっていけたら最高っすね」。球界をかき回す準備は出来た。【中島宙恵】

▼今季のオープン戦はオリックスが1位、日本ハムが2位で終了。オリックスの1位は05年以来で、日本ハムの2位は12年以来となった。05年以降、オープン戦1位、2位チームの公式戦順位を調べると、1位チームの公式戦Vが4度に対し、2位チームのVは6度あり、日本ハムも前回2位の12年は栗山監督で優勝した。Aクラスの確率も1位は18チームのうち10度の56%に比べ、2位は19チームのうち15度で79%。オープン戦は1位より2位で終了した方が本番では有利?

○…玉井大翔投手が内野5人シフトを敷く中、3者凡退に打ち取る投球を見せた。オープン戦での5人シフトは3度目で全て玉井の登板時。この日は1死からシフトを変更し、投ゴロ、遊ゴロに仕留めた。ゴロアウトが多い投手ということもあり、「持ち味は出せているのかなと思う」と手応えを語った。普段と違う陣容になるが「いつも通り守備が動いている感覚で投げている」と話した。

○…五十幡亮汰外野手が内野安打2本での4打数2安打に「内野安打は結果論。守備の間を強く抜く打球も打っていきたい」と語った。2三振した打席に触れ「三振を減らさないと。その辺は意識したい」と課題も見つかった。8回には三盗を試みるも失敗。3番松本剛の安打が続いたことを挙げ「剛さんのヒットの前に盗塁して、帰ってくるのが理想。チャレンジはしていきたい」と語った。

○…コディ・ポンセ投手が先発し5回を投げて無失点と好投した。登板予定のロッテ戦(4月4日、ZOZO)に向け、体を休ませながら万全な体調を整えていく。「体を休めることも大事。どこかの日をリカバリーというか、回復日に使いたい」と語った。リフレッシュ法を聞かれ「海に飛び込むこと」と即答。現在の道内の気温は1桁台だが「完璧です」と、寒さもパワーに変えるつもりだ。

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