シャンパンファイトの次はビールかけ! 阪神湯浅京己投手(23)が日刊スポーツインタビューでシーズン開幕へ本音を語り尽くした。WBCでは侍ジャパンの一員として3大会ぶりの世界一に貢献したが、「僕は燃え尽きていない」と強調。日本代表で同僚だったパドレス・ダルビッシュ、エンゼルス大谷の背中を追い、虎の守護神としてセーブ王、18年ぶりリーグ制覇を成し遂げる覚悟だ。【取材・構成=中野椋】

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26日の朝、湯浅はインスタグラムのストーリーズに「ダルさんロスです」と投稿した。ダルビッシュからも「ほんまにみんな帰ってきて」と泣き笑いの絵文字を添えて、返信がきた。

「めっちゃ寂しいです…。ストーリーズに載せましたけど、ダルさんが返信くれて。優しいな…マジで。ダルさんにはいろいろ勉強させてもらっていた。練習している姿とか私生活の姿勢とか、ああいう選手、ああいう人になりたいなと思いました。だから、もっともっと一緒にやりたいという気持ちが出てきた。本当にまた一緒にできたらいいなと思いました」

大谷とは「全然しゃべれていない」と頭をかいた。野手の練習、先発調整に忙しい大谷とは接触の機会があまりなかった。ただ、気迫あふれるプレーから感じ取ったものはある。

「気持ちを出してやっている姿を見て、みんなも気合が入っていました。そういう雰囲気をつくったのは大谷さん。やっぱり、シンプルにかっこいいっす。野球人としてかっこいいっす。DHで出て最後、9回に向けてブルペンに来て肩を作って。もう、すごいです」

その大谷の米国トラウトへのラストボール。投手陣が待機していたブルペンの様子は…。

「みんなでストレッチしていました。とりあえずハム(太もも裏)だけは切らないように(笑い)。厚沢さん(ブルペン担当コーチ)が「頼むから、ここでケガだけはしないでくれ」って。みんな、ハムを伸ばしてストレッチして。最初に(松井)裕樹さん。自分と(高橋)奎二さんが一緒くらいに駆けだして。ウダさん(宇田川)はゆっくり来ていました」

29日にはウエスタン・リーグのオリックス戦で帰国後初の実戦に臨む。31日開幕戦には最初から間に合わせるつもりだった。

「だって、こっちにいてもそれぐらいの試合数は投げているでしょ、と。ボールが違うだけ。大谷さんとかダルさんもさっそく投げているわけで。焦りとかじゃなく、開幕からいけるならいかせてほしいという気持ちだし、自分的にはいくつもりでした。向こうでしかできない経験をやらせてもらえた中で開幕を迎えるのは自分の中でプラスですし、もっともっと状態上げて、シーズンを通していい成績を残せるように頑張りたいなと思います」

◆湯浅のWBC 東京ドームの1次ラウンド開幕戦では中国戦の8回に登板し、3者連続空振り三振で大会デビュー。オーストラリア戦でも8回に登板して無失点。7回を抑えた大勢との“ガチアツリレー”を完成させた。米マイアミでは準決勝メキシコ戦に登板。1点リードを奪われた8回1死一、三塁でマウンドに上がると、左前打を浴び1点を献上したものの、左翼吉田の好返球もあり2点目は阻止。後の逆転サヨナラ勝利につなげた。「8回の男」として計3試合で2回2/3を投げ、2安打4奪三振無失点だった。

〇…阪神湯浅が29日2軍オリックス戦(杉本商事BS)でWBC後初の実戦マウンドに上がる。この日は鳴尾浜の全体練習で調整。「ボールの多少の違いはあるので、真っすぐの感覚とか、変化球とか、全球種試しながら」1イニングを投げる。開幕前最後の登板で普通に投げられれば、岡田監督も「それは(開幕で)投げられる」と開幕戦から守護神を任せられる予定だ。