阪神岡田彰布監督(65)が28日、中継ぎ陣の勝ち星を増やすように指令した。兵庫・西宮市の広田神社で必勝祈願後、鳴尾浜で全体練習。23年版の勝ちパターン候補5人目に今春実戦10試合13イニング無失点の石井大智投手(25)を指名した上で「中継ぎの勝ち星が一番大きいんやで」と強調した。18年ぶりの「アレ(=優勝)」へ、強力ブルペン陣に白星量産を求める。

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岡田監督は23年虎のブルペン陣容に「人数はおるよ」とニヤリ自信をのぞかせた。「人数おらん言うたら他の球団に怒られるわ。評論家にも怒られるやろ。そんなに満足はしてないけどな」。笑いながらも、勝ちパターンを任せたい5人の実力に胸を張った。

WBC参加の守護神湯浅が開幕に間に合う見込み。セットアッパーは岩崎、浜地、K・ケラーと並ぶ。さらに今春実戦10試合13イニング無失点の石井を「めちゃくちゃ評価しとるよ。そら入ってくるやろな。だって0点に抑える投手をな」と絶賛し、勝ちパターン入りも明言した。プロ3年目の速球派右腕。昨季までの2年間はリードされている展開での登板ばかりだったが「そういう評価になってきてるわけやから。やっぱ勝ってる時に投げられんとあかんで」とメンタル面の成長も期待した。

一方で、同点もしくはビハインドの場面で登板する投手の質向上にも余念がない。昨季リーグ連覇を果たしたヤクルトとの差には「中継ぎ陣の勝敗数の差」も影響していると見る。「中継ぎの勝ち星が一番大きいんやで」。阪神の昨季救援防御率は2・39。ただ、先発以外の投手陣の勝敗は14勝24敗の借金10。対してヤクルトは救援防御率3・03にもかかわらず、先発以外で31勝17敗と貯金14を稼いでいる。差は歴然だ。

指揮官は「どんだけブルペン陣の勝ち負けが大事かってことよ。9勝もせんでええけど」と表現。昨季すべて救援で9勝したヤクルト木沢を例に出し、味方の逆転を呼び込む強運リリーバーの出現も求めた。5人で構成する勝ちパターンの順番はシーズンに入ってから順番を決める。2軍でもビーズリーや岩貞が実戦復帰し、さらに中継ぎ陣の層は厚くなりそうだ。強力リリーフ陣が鮮やかな逆転劇や勝ち越しの舞台を整えれば、虎のアレは近づく。【石橋隆雄】

○…左肩の張りで2軍調整中の岩貞が、29日の2軍オリックス戦で15日ぶりに実戦登板する。14日のオープン戦DeNA戦で1イニングを投げた後、関東遠征の終盤から1軍を離れていた。岡田監督は「ちょっと試運転みたいな感じやけどな」と説明。即1軍昇格とはいかないが、昨季53試合で防御率2・57の中継ぎ左腕の戦列復帰が見えてきた。

○…新外国人ノイジーが鳴尾浜で突然、三塁ノックを受けた。「自分から入った。ずっと内野手だったんで。内野でもしっかり動けるように」と軽やかにゴロをさばいた。昨季アスレチックスで89試合に出場し、三塁では44試合を守った。日米のストライクゾーンの違いに苦労しているが、岡田監督は「(打撃投手に)外角の球を投げてもろて、見送ってストライクか聞いとるしな」と努力を評価している。」

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