阪神の新守護神湯浅京己投手(23)が、ヒヤヒヤのプロ初セーブを挙げた。3点リードの9回に5番手で登板。3四球で1死満塁となると、京セラドーム大阪がざわついた。
「ヒヤヒヤです…。でもやるしかない、と。何も考えずに向かっていくだけでした」
昨年のヤクルトとの開幕戦は最大7点差をひっくり返され敗戦。悪夢再び…。そんな虎党の心配は、WBCで世界一に輝いた右腕には不要だった。佐野を3球で見逃し三振、ソトは高めの146キロ直球で遊飛。阪神の投手がシーズン開幕戦で自身の初セーブを挙げたのは、池内豊が79年4月7日広島戦で記録して以来、44年ぶりだ。
緊迫したシチュエーションでも冷静な自分がいた。「あと1球…あと1球…」。ソトを追い込んだ場面で「初めての『あと1球コール』、聞こえてました」。笑顔で「(歓声は)気持ちいいですね」とも言った。ファンの声援を力に変えゼロで切り抜けた。
今季初登板で教訓も得た。3四球に「アバウトにいくところはいかないと」。大胆にストライクゾーンに投げ込む大切さを痛感した。「先頭の四球が反省。不利なカウントになるべくしないように」。無失点の事実以上に、大切なことを感じ取った。
お立ち台では青柳から「湯浅はファンを楽しませるために、ああいうピッチングをしたと思う」とイジられ、「ヒヤヒヤさせてすいませんでした!」とペコリ。同じ失敗はしない。湯浅ならもう、大丈夫だ。【中野椋】
▽阪神岡田監督(湯浅について)「まあ、こんなもんでしょう、開幕ね。本人も抑えないといけないという重圧はあると思うし。みんなで持ってきてくれた9回なんで、内容とかは抜きにして0点で抑えたのはよかったんじゃないかなと」
▼湯浅がプロ初セーブを挙げた。阪神の投手がシーズン開幕戦で自身の初セーブを挙げたのは、池内豊が79年4月7日広島戦で記録して以来、44年ぶり。なお池内は交換トレードで南海(現ソフトバンク)から移籍。球団生え抜き投手に限ると湯浅が初。