ニュー中田ショーが、新たな伝説を生み出した。

巨人中田翔内野手(33)が6回、開幕2戦連発となる特大の2号ソロアーチを描いた。初回には先制適時打を放っており、この試合2打点。開幕戦からチームの全5打点をたたき出し、今季初勝利をもたらした。開幕2試合で全打点を挙げたのは、球団史上でも川上哲治氏、清原和博氏の2人だけ。確実性を掲げた新たな打撃で、レジェンドに肩を並べた。

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手に伝わってくる最高の感触に、確信した。「久々に気持ちよかったです」。中田翔は1点リードの6回1死、中日涌井の147キロ直球を迷いなく振り抜いた。左中間席上段への飛距離128メートルの2戦連発特大アーチ。1歩、2歩と、放物線を目で追いながらゆっくり確信歩き。「1点だと何が起こるか分からないので、もう1点取りに行く気持ちがベンチの中であった」。ニュー中田ショータイムを演出したバットを放り投げた。

開幕から球団史に残る1人全打点の偉業を果たし続けている。前日の開幕戦ではチーム1号となるソロ弾と一時逆転の2点適時三塁打で3打点も、チームは9回に逆転負け。この日は1回1死満塁で、中前先制適時打を打っていた。開幕2試合でチームの全打点をマークしたのは、巨人では川上哲治氏、清原和博氏とレジェンド2人に次ぐ偉業となった。

ツイッターでは「中田個人軍」がトレンド入りするも豪快に一蹴した。「まだ、たかが始まって2試合なので。試合に勝ちにいくという、それだけだと思う。もっと打てるように頑張りたい」と全く意に介さない。今季は確実性をテーマにキャンプから準備。打率アップを図り、自主トレではアマゾンで買った新兵器「くの字バット」でミート力を向上させてきた。

新たな打撃スタイルで、2試合6打数4安打5打点2本塁打、打率6割6分7厘。驚異的な数字が、進化を物語る。「しっかりと打席の中でポイントを意識してできているのですごくいい。まず1勝できて良かった」。勢いはまだまだ緩めない。【小早川宗一郎】

▼中田が2戦連発を含む2打点を挙げ、開幕戦(●3-6)に続いてチーム全得点を1人でたたき出した。開幕戦から2戦連発は日本ハム時代の19年以来自身2度目で、巨人では17年阿部以来。巨人で開幕戦から2試合続けてチーム全得点をたたき出すのは47年川上、02年清原に次いで3人目。川上は4月18日中部日本戦●1-2(本塁打)19日東急戦○1-0(二塁ゴロ)で、清原は3月30日阪神戦●1-3(本塁打)31日阪神戦●1-2(本塁打)。2人は2試合とも1点で、複数得点は中田が初。

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