ソフトバンク藤井皓哉投手(26)がプロ初先発で、先発初勝利を挙げた。

7回2安打無失点、9奪三振の快投を見せ、お立ち台では「疲れました!」とさわやかに笑った。4回まではノーヒット投球。5回1死で安田に初安打されたが、危なげなく後続を断った。7回まで得点圏まで走者を進めることが1度もない、安定感抜群の内容だった。

20年に広島を戦力外となり、21年は独立リーグの四国IL・高知でプレー。昨季、育成選手としてソフトバンク入りした。開幕前に支配下登録されると、救援陣の一角としてブレーク。55試合で防御率1・12という圧倒的な成績を残した。

それだけでも見事なサクセスストーリーだが、藤井は挑戦を止めなかった。昨季終了後に先発転向を決断。「一から作り上げていくという感じだった。キャンプ、オープン戦はすごく自分の中で悩んでいた」。自主トレでは先発経験豊富な和田に弟子入りするなど、試行錯誤しながら開幕ローテーションを勝ち取った。

広島時代に挙げたプロ初勝利。昨季、中継ぎで挙げた復活星。そして今回の、先発1勝。苦労人右腕が、新たなサクセスストーリーを歩み出した。【山本大地】

▽ソフトバンク斉藤和投手コーチ(プロ初先発の藤井に) 上出来、上出来、上出来。7回まで投げてくれたんでね。藤井は今年1年をかけてでも、先発投手として確立させたい。

▽ソフトバンク甲斐(7回にダメ押しの2点適時打) とにかくランナーをかえそうと、積極的にスイングを仕掛けました。追加点となる1本を打つことができて良かったです。

○…ドラフト2位の大津がプロ初登板し、1イニングを3人で完璧に抑えた。7点リードの9回に登板し、2番の中村奨を右飛。3番山口は空振り三振に切り、4番のポランコは二ゴロに打ち取った。勝ちゲームの最後をしっかり抑えて締めくくった。ルーキーの堂々たる投球に藤本監督は「オープン戦後半からいい投球をしていたので、早く投げさせてあげたかった」と目を細めた。

○…又吉克樹投手が、昨年7月に右足甲を骨折して以来の1軍公式戦マウンドに上がった。8回無死一、二塁で登板すると、代打岡を中飛。続く荻野を併殺打に打ち取った。「投げるまでは落ち着かなかったですし、いい結果で終われたので、まずは良かったと思います」と安堵(あんど)の笑顔を見せた。セットアッパー候補の右腕は「また明日、1個ずつ頑張りたい」と背筋を伸ばした。

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