<阪神6-5DeNA>◇1日◇京セラドーム大阪

阪神が今季初のサヨナラ勝ちで接戦を制し、2年ぶりの開幕2連勝を決めた。5-5で迎えた延長12回2死満塁、DeNA山崎から、近本光司外野手(28)が中越えへサヨナラ打を放った。

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近本は昨年のCS敗退後、取材陣の前で涙を流しながら、あることを再認識していた。「阪神を見たいと思って来てくれる人が、これだけいる。うれしかったというか、ホッとしたというか…」。ヤクルトとのファイナルステージに敗れ矢野前監督の最終戦となった試合で、ファンの存在の大きさを痛いほど実感していた。

どれだけ逆風にさらされようと、ファンはいつもついている。時には叱咤(しった)もあるが、最後はあたたかい拍手を送ってくれる。「ダメな時はたたかれる。でも、ベースにあるのはファンだし自分自身なんだと」。何よりも大切な原動力に、あらためて気づくことができた1日だった。

この日のお立ち台では「打席の中で集中したいのにすごい歓声だった」と話し、虎党の笑いを誘った。一方で「ちょっと冷静にもなれていた」と、チャンステーマを耳にする余裕もあった。今季から復活した声出し応援。大声援は確実に、背番号5の力になるはずだ。【阪神担当=中野椋】