よっしゃ~、初ヒット! 阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、初安打&初適時打&初打点をマークした。4点を追う初回。ノイジー、大山の適時打で2点差。1死一、二塁とチャンスは続いた。カウント1-1からDeNA先発ガゼルマンの151キロのツーシームにフルスイング。打球は三塁手のグラブをはじき、適時三塁内野安打で1点差に迫った。

「ほっとしたのが素直な気持ち。自分の初安打もそうなんですけど、打点がついて1本取れたのはチームとしてもプラスなことだと思った。そこがうれしかった」

開幕2戦目、4打席目で初めてともしたHランプ。チームを打撃で勢いづかせ、思わず笑みがこぼれた。岡田監督も「ラッキーな当たりやけど、これで地に足着けて打席に入れるんちゃうか」と今後の活躍を期待した。

森下の「らしさ」がでたのは、延長10回の打席だった。6番手入江から四球を選んだ。その瞬間に、球場に「よっしゃ~!!」の雄たけびが響き渡った。チームの勝利を呼び込みたいという気持ちがこもっていた。「学生時代から緊迫した場面では、自然に勝ちたいという気持ちが出る。ああいうスタイルを近本さんも『やっていけ』と言ってくれた。どんどんそのスタイルでやっていきたい」。気迫を前面に押し出したプレースタイルはチームに活気をもたらす。プロ初ヒットの球は「親に会った時にプレゼントしようかな」と笑顔。背番号1がまた1歩、前進した。【三宅ひとみ】

■森下の父善文さん「H」ランプにほっ

森下の父善文さんは球場で観戦し、息子の初ヒットを喜んだ。「前日は同じような打球でEランプがついたので、どうかなと思ったけど、Hランプがついて本当によかった」。また、延長10回の四球を選んだ場面にも「ちゃんと選べて、成長してるんだなと」と感慨深い表情を浮かべた。初安打の記念球を両親にプレゼントしたいと背番号1が言ったことに「本当に泣いちゃうこと言っちゃって」と声を震わせた。

▼森下がプロ4打席目に、初安打となる適時内野安打を放った。近年のドラフト1位では、近本が19年の開幕戦3月29日ヤクルト戦で、3打席目に初安打となる三塁打で1打点。佐藤輝は21年3月26日の開幕戦ヤクルト戦で初打席に犠飛を放ち、翌日27日の通算5打席目に初安打となる1号2ラン。なお岡田監督はプロ1年目の80年4月22日大洋(現DeNA)戦で、プロ7打席目に初安打初打点を挙げた。

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