ソフトバンクが「侍カルテット」の活躍で、パ・リーグ唯一の開幕3連勝を飾った。

0-0の2回に牧原大成内野手(30)、甲斐拓也捕手(30)、FA加入の近藤健介外野手(29)の二塁打で一挙4得点。6回の守備では中堅の周東佑京内野手(27)が同点を阻止する好プレーでチームを救った。開幕ダッシュの勢いそのままに、4日からの2カード目、宿敵オリックス戦に向かう。

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世界一の実力を存分に示した。0-0の2回1死満塁。9番甲斐の左翼越え適時二塁打で2点を奪った。昨季、満塁では7打数0安打。しかし、WBCで頂点を経験した今年は違う。

甲斐 何とか食らいついて打つことができた。緊張の中でやっているのは変わりませんが、(WBCの)経験をさせてもらった。そこは自分の中でプラスにして。メンタルの部分も強くしていきたい。

侍4人で勝った。2回は先頭で牧原大が左中間二塁打。メンバーで最後に招集された「ラストサムライ」が口火を切り、甲斐の決勝打は生まれた。その後2死二、三塁でFA加入した近藤が中越え2点打。移籍後初打点で一挙4得点だ。

守備で光った侍もいる。2点を返された6回1死一、二塁の場面だ。東浜がロッテ山口に左中間二塁打を浴びる。同点の危機…だったが、中堅周東が快足を飛ばして回りこみ、外野の間を割らせなかった。一塁走者だった角中を三塁でストップ。藤本監督は「あの守備は最高。あれを二、三塁で止めたのが今日の勝因です。普通やったら2人(ホームに)かえってきているかも分からない。あれは超ファインプレー」と絶賛した。7回には盗塁も決めた。

ソフトバンクの誇る「侍カルテット」で、パ・リーグ唯一の開幕3連勝。21年の4連勝、22年の8連勝に続き、3年連続のスタートダッシュを決めた。投手陣も3試合で3失点と盤石。投打ががっちりかみ合っている。

次カードの4日からは敵地でオリックス3連戦。昨季は勝率で並びながら、直接対決の結果でリーグ優勝を明け渡した宿敵だ。殊勲打の甲斐はお立ち台で「昨年はとても悔しい思いをした。今年こそ必ず最後は(ファンも含めた)みんなで笑えるように」と宣言。リベンジに燃えるソフトバンクが、勢いそのままに大阪へ乗り込む。【只松憲】

○…FAで新加入した近藤が、移籍後初打点を挙げた。2-0の2回2死二、三塁で中越え2点適時二塁打。4点差に広げる貴重なタイムリーで「チャンスだったので初球からどんどんいこうと思った。いい結果につながった」。開幕3戦で打率4割1分7厘、出塁率は4割6分2厘と持ち味を発揮。決勝打の甲斐とお立ち台に上がり「最高です! 」と喜びを爆発させた。

○…新加入のオスナが、移籍後初セーブを挙げた。2点リードの9回にマウンドへ。先頭の代打佐藤都を二飛に打ち取ると、続く茶谷も三ゴロに。2死から藤原に左前打を許したが、最後は代打のポランコを空振り三振に仕留めた。昨季プレーした古巣相手に守護神としての役割を果たし「満足しています。ファンのみなさんに見せることができて良かったです」と話した。

▽ソフトバンク中村晃(全4打席出塁で打率6割2分5厘)「状況はあまり考えず、1打席1打席集中してやっていきます。継続できるように頑張ります」

▽ソフトバンク松本裕(7回に登板し3者連続三振)「今年初めて、1点差の緊迫した場面で投げられて、いい形で集中して入れたと思います。いい投球ができたのは、まずはひと安心ですし、良かったと思います」

▽ソフトバンク津森(今季初登板で、8回の1イニングを無失点)「しっかりオスナにつなげられるように、みんなで頑張っている状態です。緊迫する場面だったので、気持ちが入りました」

▽ソフトバンク村松外野守備走塁コーチ(6回の周東の好守備について)「足が速いから普通の定位置で(外野間の打球は)追いつける。あれは大きかった。センターの守備範囲が広いと、レフトも左中間をそんなにケアしなくてよくなる」

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