楽天藤平尚真投手(24)が、6回3安打1失点で今季1勝目を挙げた。

5回まで毎回走者を出したが、冷静な投球を続けた。3回2死から2者連続死球で、一、二塁のピンチを招いたが、野村を初球の低め149キロ直球で一ゴロに打ち取った。5回1死二塁で石井に左前適時打を浴びたが、続く松本剛を一ゴロ、野村を141キロフォークで空振り三振に仕留め、後続を断った。昨季までの課題だった変化球の制球が向上し、カーブやスライダーを有効に使い、カウントを整え続けた。

「自分でも変化球ピッチャーじゃないと思いますし、真っすぐがあっての変化球っていうのを前提として、その中でもやっぱり真っすぐを待つ割合の方がバッターは多いと思う。そこで変化球でカウントを取られたりとか、いいコースに変化球を投げられると、もっと嫌なピッチャーだと感じると思う。変化球はカウントを取ることをしっかりとできていたので、今日は良かったと思います」と満足げだった。

16年ドラフト1位で入団し、昨季まで6年間で8勝にとどまっていた。今季はキャンプからアピールを続け、開幕ローテーションの座をゲット。今季初戦でいきなり結果を残した。「自分の中ではすごくいいスタートができたと思いますし、その中でここで止まっては絶対にいけないと思う。本当にこれから2勝目、3勝目につながるピッチングだった」と前を向いた。

「尚真」の名前は、相手先発の金村と同じ。「同じ名前に会ったことなかった。試合前とか「負けたら絶対話題になるんだろうなあ」と思っていたので、そこは…。相手ピッチャーとは勝負してないですけど、お互いでいいピッチングをしあえたのはすごい良かったかな」と最後は笑顔だった。

▽楽天石井監督(藤平の投球に)「僕と一緒で無表情の男。あまり表情に出さずに、淡々と投げてくれました。年々、そこら辺ができるようになってきた。心と体がかみ合ってきたのかなと思います」

【関連記事】楽天ニュース一覧