記録更新だ! 昨春覇者の東北福祉大が宮教大に34-0の5回コールド勝ち。

初回、佐藤琉河捕手(3年=東北)の左越え2点本塁打を含む7得点でスタートし、以降毎回のビッグイニングで爆勝。99年春、宮教大戦で同大が打ち立てた25得点の1試合最多得点記録を24年ぶりに更新した。仙台大は東北工大に13-3の6回コールド。先発した佐藤幻瑛投手(1年=柏木農)が5回7安打3失点と粘投した。

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打順がよく回った。第1戦は2回まで無安打無得点。だが、この日は2回裏終了で打者26人の猛攻。選手に硬さはなく、扇の要としてチームを支えた佐藤は「(野手陣が)第1戦に比べて周りも見えていたし、投手のテンポも良かった。より良くなった印象があります」と納得の表情。4イニングで打者54人。1試合最多得点だけでなく、両チーム合計最多の31得点も1チームだけで超えた。25打点は、同大が95、99年春にマークした22打点を更新。佐藤は「(山路)監督さんから『今までやってきたことをそのまま出せ』と指示があった。リーグ戦だからといって特別な気持ちを持たず、いつも通りにやることをやったのでこういう結果になったと思います」。普段通りのプレーで過去の先輩の記録を超えた。

「冬はピッチャーをよく知ることを重点的にやってきました」。今冬は投手陣と多くコミュニケーションを取り、性格や特徴、どういう声がけをすればいいかの理解に努めた。第1戦では8回からマスクをかぶり、北畑玲央投手(4年=佐久長聖)をリードし3者三振。この日は先発で2投手をリードし4回を2安打。投手の良さを十分に引き出し、冬の成果を発揮した。

王者奪還へ-。佐藤は「去年も仙台大に負けているので、まずはリーグ優勝を目指します」と、昨秋2敗を喫した相手へのリベンジに燃える。そして「全国でも勝てるチームへ。最終的に日本一を狙えるチームになりたい」とさらに上を見据える。大記録の勢いそのまま、仙6王者に返り咲き、日本一へと突き進む。【濱本神威】

○…仙台大 1年生ながら春のリーグ戦の先発を任された。佐藤幻は「楽しみではありました。プレッシャーもありましたが、いつも通りやるしかないので…」。物おじせず、堂々の8奪三振。3月のオープン戦でマークした自己最速149キロに迫る147キロをマークするなど、存在感を示した。「今日はスプリットが良かった。1球も前に飛ばなかった」と、確かな手応えも得たデビュー戦となった。