日本ハム新庄剛志監督(51)いわく「紙1枚(紙一重)」の攻防が勝敗を分けた。日本ハムは16日、西武に2連敗で2カード連続の負け越し。借金は今季最多の6に膨らんだ。劣勢から一転、7回に1-2と1点差に詰め寄ったが、打線は決定打を欠いた。継投では田中正義投手(28)、石川直也投手(26)と、開幕から無失点を続けていた勝ちパターンの救援2人が、まさかの失点。終盤勝負をものに出来なかった。

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試合後、日本ハム新庄監督の“嘆き節”は止まらなかった。「紙1枚(紙一重)ですけどね。ここでっていう…。惜しいんですよ、毎回ね」。6回まで無安打。昨季から苦手にしている西武の先発エンスに苦戦したものの、リリーフ勝負となった7回から反撃開始。1点差まで詰めよりながら、勝負どころで攻守に実績不足による“若さ”が出てしまった。

攻撃では7回、3番清宮、4番野村の連打でチャンスメークしたものの、続く万波は一邪飛に倒れた。この回、押し出し四球による1点止まりで、8回1死二、三塁では3、4番があえなく凡退し無得点。新庄監督は8回の好機で空振り三振に倒れた4番について「野村君は(ボール球の)見極めができてくれたら、もっといいバッターになる。打ちに行って(バットを)止める勇気、野村佑希」と韻を踏み、明るく注文した。

守備では、8、9回に投入した田中正、石川の勝ちパターン2人が、ともに開幕から5試合目で今季初失点した。特に1-3の9回2死満塁から、2つの暴投で3失点した石川は「負けている展開で慎重になりすぎて、変化球が多くなってしまった。もったいなかった」と猛省。いずれもフォークボールを地面にたたきつけ、塁上の全ての走者をホームにかえすという珍事に、新庄監督は「初めて見ることばっかりで、面白いでしょ? このチーム。そういうチームがガーンって(勢いに乗って)行った時、さらに面白くなるから」と笑顔だ。パ5球団との対戦を一回り終え、勝ち越したのは昨季日本一のオリックスだけ。それでも、まだ4月。逆襲の機会は、いくらでもある。【中島宙恵】