北海道6大学野球春季リーグ戦が22日、苫小牧・とましんスタジアムで開幕する。昨秋の1・2部入れ替え戦で勝利し、昇格を決めた室蘭工大が32年ぶりの1部リーグに挑む。初戦は5季連続優勝を狙う東農大北海道と対戦する。優勝チームは全日本大学選手権(6月5日~、東京・神宮ほか)の出場権を得る。

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選手登録17人の室蘭工大が、91年春以来の1部リーグに臨む。昨秋に08年以来の2部優勝を果たし、1部6位だった帯広畜産大との1・2部入れ替え戦に勝利。念願の昇格を決めた。橋本智貴主将(3年=名取北)は「自分たちはずっと1部昇格を目標にやっていたので、そこでできるのがまずはうれしい。レベルの高いところでできるのは楽しみ」と胸を高鳴らせている。

例年、3年生まででプレーに区切りをつけ、4年生は就職活動や各自の研究に力を注ぐ部員も多いが、今春は昇格を決めたこともあり、4年生のメンバー登録は5人。卒業後、大手建設会社に就職予定の高山侑人遊撃手(4年=鎌ケ谷)は「レベルが高くなると思うが、私立に1勝、2勝とできれば」と意気込む。昨秋まで主将を務めていた大野柚太捕手(4年=札幌大谷)は週3、4回のアルバイトもこなしながら勉学と野球に励んでいる。

選手主体でチームをつくってきた。学内に野球部の顧問こそいるが、直接チームに関わる監督はこれまで不在だった。1部昇格に貢献した渡辺栞太(4年=浦河)は昨秋で選手を引退。3月に就職活動を終え、再びチームに戻り、リーグ戦では「監督」として選手に指示を送る予定だ。

強敵相手のリーグ戦に向け、札幌大谷大、東海大北海道と練習試合を行い、ともに10点差以上の大敗だった。それでも橋本主将は「まず投手のレベルが全然違った。打てなかったですけど、これが大学野球だなとやっと感じることができた」と刺激を受けた。22日の初戦は5季連続優勝を狙う東農大北海道とぶつかる。91年春の1部参戦時は5戦全敗の6位に終わり、秋から2部に降格した。橋本主将は「目標は1部残留」と気合をみなぎらせた。【山崎純一】

○…東農大北海道 5季連続のリーグ制覇を狙う。昨秋の明治神宮大会に出場した彦坂慧一郎主将(4年=豊橋中央)をはじめ、全国経験を持つメンバーは多い。三垣勝巳監督(42)は「勝敗も大事ですが、見ている方に大学野球はいいなと思ってもらえるように。きちっとして野球に向かっていきたい」。初戦で室蘭工大と対戦する。

○…旭川市立大 大学名が変わり、新たなスタートを切る。私立の旭川大から公立化となり4月から大学名が変更された。初の公式戦は函館大と対戦する。鷲田義典監督(56)は「公立になって、ユニホームも一新され気持ちも一新され、目指すは優勝というところですが、肩に力を入れず、いつも通りの野球をやっていきたい」と話した。

◆23年北海道6大学春季リーグ1部 第1節は22、23日に苫小牧・とましんスタジアムで行われる。22日は北洋大-北海道教大旭川(午前8時30分)、函館大-旭川大(午前11時)、東農大北海道-室蘭工大(午後1時30分)。第2節は29日から5月2日まで行われ、最終第5節は5月20、21日を予定している。会場はとましんスタジアムのほか、あいべつ、網走呼人など全8球場で開催される。