東北福祉大が東北学院大に2-0で競り勝った。16-9と、両軍ともに13安打の乱打戦だった第1戦とは打って変わってロースコアの展開となったが、先発した北畑玲央投手(4年=佐久長聖)が7回1/3を5安打無失点と好投。9つの三振も奪い、スコアボードに「0」を並べ続け、投手戦を制した。東北大は東北工大に19-7の大勝。中丸宏平外野手(4年=佼成学園)が4打数4安打と打線をけん引した。

 

腕の最高到達点から矢を放つ。「周りに真っすぐの回転がきれいと言ってもらえる。分かっていても打てないような、糸を引くような真っすぐ」と自他ともに認める最速149キロの直球を軸に、カットボールやチェンジアップなど6種類の変化球を駆使し、相手に的を絞らせなかった。「カットボールは速くて140キロほど出る。カーブやチェンジアップで緩急をつけ、いかに的を絞らせないかを自分の中のテーマにしています」と、この日は最速147キロ、一番遅い球種で103キロの44キロの緩急差で相手打線を幻惑した。

手に汗握る展開だった。「相手も古谷(龍之介、4年=北星学園大付)が投げてくるということでロースコアになるとは思っていた。いかにテンポよく攻撃にリズムをつなげられるかを意識していました」。2、3、4回と3イニング連続で3者凡退。5回には四死球が絡み2死満塁のピンチを招いたが、最後の打者を空振り三振。味方が取った2点を大事に、しっかりゲームをつくった。

7回を終え100球に到達したが、8回も続投。だが、先頭打者を見逃し三振の後に2連続安打を許した。「投げたかったのですが、8回にはもう、真っすぐが浮いていた。降板は仕方がない」と反省。今後に向け「球速を伸ばしたいところはありますが、それよりも変化球の精度やコントロール、真っすぐの質…。この3つを上げたいです」。チームの勝利のために3本の矢を極めていく。【濱本神威】

 

7回1死一、二塁で北畑を救援した最速155キロ右腕・堀越啓太投手(2年=花咲徳栄)が、5人を無安打4奪三振と完璧に抑えた。冬場の投げ込みを従来の60球ほどから2倍の120球に増加。次の日も60球を投げるなど制球力向上に努めた。その成果もあり、第1戦からの連投にもかかわらず、最速151キロをマーク。25球のうち150キロを11球、151キロを3球マークした。

 

東北大 1-3で敗れた第1戦では6安打1得点の打線が、この日は14安打19得点と爆発。第1戦でチーム唯一の打点を挙げた中丸は、毎打席快音を響かせた。中丸は「(全打席安打は)大学初だと思います。1本打ってから気持ちが楽になりました」。昨秋はチームトップの打率3割7分5厘をマークしており、今春も4割2分9厘と好調。「ここからもどんどん打率を上げて、3割は超えたい。チームで一番打点を挙げたいと思います」と力を込めた。