三菱重工Westのプロ注目右腕、竹田祐投手(23=明大)が驚異の粘りで1失点完投勝ちを収めた。

強敵の日本生命に12安打、2四球と毎回走者を許しながら、ソロ本塁打の1点だけに封じた。

8回1死一、三塁ではソロを含む3安打と打たれていた山田健太内野手(22=立大)を速球で空振り三振。「それまで全部、変化球を打たれていたので全球まっすぐでいきました」。1学年違いだが、履正社と大阪桐蔭、東京6大学でしのぎを削ってきた大物ルーキーに意地を示した。

9回の無死二塁のピンチも直球中心に攻めて1点を守った。「めちゃくちゃ打たれてしまい、チームに勢いをつける投球ができなかったけど、何とか粘って、勝ててよかったです。とにかく点を取られないようにと思っていました」。反省まじりに144球の熱投を振り返った。

津野祐貴監督(36)は「要所で打者に向かっていた。調子があまりよくなくても試合を作れるし、あの粘りがあったから逆転につながった」と評価した。

竹田は履正社でセンバツ準優勝に導いた。明大では11勝を挙げたが、ドラフト指名されなかった。社会人2年目の今年がドラフト解禁年。12球団32人のNPB関係者が見守る前で、持ち前のゲームメーク能力を発揮した。