セ・リーグ2連覇中のヤクルトが、19年以来4年ぶり、高津政権初の10連敗を喫した。17勝28敗で借金は20年以来の11に膨らんだ。前日に自力優勝の可能性が消滅していたが、交流戦前では最後となる試合でも白星はつかめなかった。

先発の小川泰弘投手が踏ん張れなかった。初回、菊池に先頭打者アーチを浴びた。2回から立て直したが、5回につかまった。1死一、三塁から上本に三塁線を破る2点三塁打を許した。左翼手の山崎が打球処理にもたつく不運もあったが、小川は「チームを勝ちに導けるような有利な展開に進めることができず申し訳ないです」と反省を口にした。

打線はスタメンの2番二塁に、この日に22歳の誕生日を迎えた武岡龍世内野手を抜てきした。武岡は4回にチェンジアップに食らい付いて中前打、6回には直球を中前にはじき返すなど、20年以来3年ぶりプロ通算2度目の複数安打をマークした。守備でも1回にスライディングキャッチ、4回にダイビングキャッチと好守を連発した。7回には先頭の4番村上宗隆内野手が3試合ぶりにリーグトップに並ぶ9号ソロを逆方向の左翼席に運んだ。「打ったのはチェンジアップです。1点ずつかえして勝てるように頑張ります」と話した。

2点を追う8回には四球と敵失などで1死二、三塁の好機をつくったが、武岡の代打浜田がワンバウンドのスライダーを振って三振を喫した。続くサンタナはフルカウントまで粘ったが、2番手ターリーの153キロ直球に右飛に倒れた。反撃は届かなかった。

ヤクルトの10連敗は、小川監督時代の19年5月14日から6月1日まで16連敗を喫して以来。借金11は、高津監督の就任1年目だった20年以来3年ぶり。同年は最終的に借金28の最下位だった。プロ野球の歴史で借金9以上から逆転優勝したチームはない。

26日に下半身の張りを訴えて途中交代した山田哲人内野手は球場入りしたものの、2日連続で試合前の練習でグラウンドに姿を見せなかった。塩見泰隆外野手、青木宣親外野手らを欠いて苦しい状況だが、リーグ3連覇へ向け、30日から始まる交流戦での巻き返しを狙う。

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