ロッテ佐々木朗希投手(21)が、中22日の復活マウンドで無傷の4勝目を飾った。

5月5日のソフトバンク戦で右手中指にマメが出来た影響により登板間隔を空けていたが、6回82球を投げ、3安打2失点。自己最速165キロには及ばずも、164キロを3度マークするなど、強力打線から4者連続を含む9三振を奪った。今季の奪三振は59個でリーグトップに浮上。ロッテが首位で交流戦に入るのは10年ぶり4度目で、若きエースが存在感を示した。

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佐々木朗が右手中指に全力を込めた。82球を投げてリードを守り、黄色いグラブをポンっとたたいた。6回、ソフトバンク近藤、柳田を連続空振り三振。思わず出るしぐさが、マウンドでの復活の証しだった。

先頭の中村晃に右前打を許し、1死後に主軸を迎えた。「今日一番大事な場面だと思った」。3番近藤は160キロの直球。前日の延長12回にサヨナラ打を打たれた柳田はフォークで斬った。「どうにかゼロで抑えられて良かったと思います」。マメの影響で投げられなかった悔しさも込めた。

昨年も右手中指のマメで1カ月弱投げられなかった時期があった。今回は経験を生かした。「どのタイミングでキャッチボールをするのかとか、そういうところですね」。当初はローテを1回飛ばしての復帰を目指したが、指先に負荷をかけると違和感は消えなかった。完治を最優先に切り替え、最終的には中22日。普段は軽めに終始する前日も約20メートルの距離でキャッチボールを入念に行って指先に刺激を加えた。「適切な選択の結果、今日になりましたけれど、無事に投げ終えられて良かった」。納得の表情で、交流戦前最終戦でリーグ単独首位を確定させた。

テーマは球数を少なく-。吉井監督からは目安を約80球前後と伝えられていた。ダルビッシュの助言で磨いたスライダーは必要最低限の2球のみ。制球しやすい直球とフォークを軸に3回まで完全投球。バックネット裏で視線を送った野茂英雄氏も、春季キャンプ地石垣島視察時からの成長を再確認し、関係者らと直球の伸びなどを評価している様子だった。

次は順調にいけば中6日で甲子園での阪神戦が予想される。「雨で流れないように祈っています。僕は投げているので…。種市さんがすごいワクワクしていました」。八戸工大一(青森)時代を含めて甲子園初登板予定の先輩をいじって、自身も周囲も笑顔にした。好調なチームに関われなかった分、「ここから最後まで(ローテを)回るために気をつけていきます」。投手陣の中心として首位を守っていく決意表明の投球だった。【鎌田直秀】

▽ロッテ吉井監督(佐々木朗の好投に)「しっかり調整してきてくれました。5回で終わりかなあと思ったけれど、けっこう6回は流れが変わるので、本人が『いきますっ』って言ってくれて良かったです」

▼ロッテが単独首位で交流戦を迎える。ロッテの交流戦前リーグ首位は25日に確定していたが、この日で単独首位が決まった。ロッテの交流戦前首位は05、12、13年に次ぎ4度目。2桁貯金で交流戦に入るのは、05年(24勝8敗=貯金16)以来18年ぶり。05年は交流戦初代王者になったが、今季はどうか。17日オリックス戦からは14年6月以来チーム9年ぶりの7試合連続5得点以上をマークし、投打がかみ合っている。

▼ロッテ佐々木朗が9奪三振で今季通算59奪三振。同僚の種市(58個)を抜いてリーグトップに立った。デーゲームはプロ通算10試合で5勝0敗と無敗のまま。チームが昨年9月24日から続けていたペイペイドームでの連敗を7で止めた。

【動画】ロッテ佐々木朗希23日ぶりの登板は6回2失点 柳田悠岐から三振奪い降板

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