「ヨコハマ、ダイスキ!」。DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、日本での自己ベスト投球で来日2勝目を挙げた。

移籍後最長の8回を3安打2失点。最速155キロの直球を軸に、同最多109球を投じ、初2ケタとなる毎回10三振を奪った。5月3日の初登板初勝利からちょうど1カ月後、同じ本拠地横浜でつかんだ白星で、チームを交流戦単独首位浮上に導いた。

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台風一過の横浜で、サイ・ヤング賞右腕の笑顔が輝いた。バウアーはちょうど1カ月ぶりに本拠地のお立ち台に立ち、インタビュアーの質問の翻訳を待たずに「ヨコハマ、ダイスキ!」と第一声。大声援を浴びながら、締めの言葉には「3勝目までは、1カ月お待たせしないように頑張ります」と冗舌にファンと約束を交わした。

マウンドでは“心は熱く、頭は冷静に”を体現した。1回、先頭源田から2者連続四球で無死一、二塁のピンチを招いたが、3番外崎をこの日最速155キロの外角低め直球で見逃し三振。続く渡部の打席で飛び出した二走源田をピックオフプレーで挟殺し(記録は盗塁死)、渡部を外角低めカットボールで空振り三振に仕留めてガッツポーズ。「やはり、あの二塁けん制が一番大きかったかな。内野手から『ランナー飛び出てる!』と声をかけてもらって反応出来て、いいアウトが取れた」と振り返った。

2回以降はテンポよく打たせて取り、要所で三振を奪う安定した内容。1点リードの4回1死から外崎に同点弾を浴び、5点リードの8回は先頭の代打平沼にもソロを許した。来日初登板から5戦連続被弾となったが、「9イニング当たりの被本塁打率(試合前まで21イニングで7被弾)は3から、今日2本打たれても下がるくらいなので、いい方向に進んでいるのかな」。被本塁打率は2・79(29イニングで9被弾)と「改善」したことに、ニヤリと笑った。

この日は、日本一を飾った98年の復刻ユニホームで好投。「2023年のユニホームが歴史に残るユニホームになることを祈っています。このユニホームと同じようにね」。当時7歳の野球少年が海を渡り、25年ぶり優勝への歴史を切り開いていく。【鈴木正章】

【動画】DeNAバウアー5試合連続被弾 西武外崎修汰に同点ソロ浴びる