あぁ仙台の悪夢…。セ界首位を走る阪神が、パ最下位の楽天にまさかの逆転サヨナラ負けを喫した。

「日本生命セ・パ交流戦」の楽天戦で、湯浅京己投手(23)が9回に逆転3ランを浴びた。岡田彰布監督(65)は守護神について「ちょっとしんどいやろ」と配置転換を示唆した。勝利すればリーグ&交流戦でW首位だったが、目の前でスルリ。今季最多の貯金19はならなかった。

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「ラッキー勝利」が一瞬にして吹き飛んだ。1点リードの9回に守護神湯浅が登板。1死から山崎、島内に連続四球を与え、辰己をフォークで空振り三振。さあ、あと1人。しかし、小深田に初球の高め直球を完璧に振り抜かれ、打球は無情にも虎党の待つ右翼スタンドへ。まさかの逆転3ランを被弾し、今季初のサヨナラ負けを喫した。「いやそら自滅やんか。負けゲームを勝たせてもらう展開になってんねんから」。さすがに岡田監督もぼやきモード全開だ。

さらに指揮官は湯浅の守護神剥奪の可能性を示唆した。3日のロッテ戦(甲子園)では昨年から39試合ぶりの失点となる3失点。5日の同戦は1回無失点に抑えたが、再び救援失敗となった。指揮官は「力み? 力みってそんなかばうようなことはないけどな」と厳しく指摘。「9回? 今はしんどいやろ。そらまあ、フォアボールがどんだけ点に絡むかっていうかな。ストライク入らんのじゃのう」と苦言を呈し、「前のバッター(辰己)であんだけええ球なあ、フォークでいってんのに、何で真っすぐいくんやろなあ。ええ?」とバッテリーを責めた。

終盤は「運」も味方した。中盤までは先発辛島の直球と落差の大きいカーブを使った緩急に苦戦。ただ、2点ビハインドの7回には相手守備のミスと辛島の制球も乱れ、1死満塁から小幡の一ゴロで1点を返すと、8回は無死一塁からノイジーの右翼線への飛球を右翼手小郷がグラブの土手に当て落球。その後大山の適時打、佐藤輝の内野ゴロで同点に追いつき、渡辺諒の中犠飛で勝ち越した。楽天のミスにつけ込んだ7、8回はわずか1安打で4点を奪って一時逆転したが、最後に悪夢が待っていた。

勝てば交流戦単独トップに立つはずだったが、スルリと逃してしまった。パ・リーグ最下位の楽天に負け越し、2位DeNAとのゲーム差は5・5に縮まった。3日から始まった9連戦はここまで3勝2敗1分け。9日からは北海道に移動し、そのまま日本ハムとの3連戦が待つ。「辛抱? そんな辛抱って、何勝何敗やねん、今。他のチームもっと辛抱せなあかんやんか。(9連戦で)1つでも貯金つくって帰ったらいいんちゃう」と冷静に前を向いた。【古財稜明】

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