あぁ打てず守れず…。阪神打線が「日本生命セ・パ交流戦」オリックス戦で山本由伸投手(24)の前に沈黙した。

5回2死まで無安打に抑え込まれるなど8回無得点。今季最少2安打とお手上げ状態だった。守備でも今季1試合ワーストの3失策。今季最多4万2625人の甲子園はため息に包まれた。

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阪神が今季最少2安打で6度目の0封負けを食らった。オリックス先発山本が想定以上だったかと問われた岡田監督は「そうやなあ。初回から飛ばしていたからなあ。まあ7回ぐらいかなあと思っていたけど、(球威が)落ちんかったよなあ、ほんまに」と、相手エースをたたえるしかなかった。

7回に死球や相手失策などで2死満塁とこの日初めて三塁を踏んだが、木浪が155キロ直球で遊ゴロに仕留められた。山本から走者を出したのは3度とも2死から。指揮官は「2死からばっかりやったから、なかなかな、何もできんかったな」と、動こうにも動けなかった。

ここまで打線を引っ張ってきた1、2番の不振が深刻だ。近本は6日楽天戦から25打数1安打、6日は猛打賞の中野も7日楽天戦から25打数3安打。この日は2人とも4打数無安打。指揮官も「(近本は)もう、ずっとなあ。2番もちゃうのん…ふふふ、そら機能せん、打てん時もあるからなあ」と、苦笑いだ。

守りでも今季最多の3失策と乱れた。「エラーがらみでの最初の1点は痛かったよなあ」と話すように、4回先頭の宗の打球を一塁大山がはじき出塁。さらに一、三塁から頓宮の三ゴロで渡辺諒が二塁へ悪送球し、先制点を許した。不振の佐藤輝に代わって2戦連続スタメンの渡辺諒は8回にも茶野の飛球を落球し、この日2失策。「出ている以上は難しいとか言っていられない。チームに迷惑をかけて申し訳ない」と肩を落とした。

交流戦は借金2となり、残り5試合で4勝1敗でいかないと、勝率5割以上にはならない。セ・リーグでは2位DeNAが勝ち、3・5差まで迫られた。岡田監督は「そらエラーで失点もするよ。百何試合もしたら。それをバットで取り返せばええやん」と切り替えることを求めた。まだシーズンは84試合もある。【石橋隆雄】

▼阪神の完封負けは6月9日の日本ハム戦以来、今季6度目。交流戦では5月31日西武戦と合わせて3度目で、日本ハムと並んで12球団最多タイ。

▼阪神の2安打は今季最少。4月6日広島戦と同7日ヤクルト戦での3安打が今季の最少だった。

○…近本が山本と4打席対戦し、無安打と完敗した。4回は155キロ直球、8回は124キロのカーブでともに見逃し三振と手が出なかった。8日楽天戦の第2打席から21打席連続無安打で、自己最長にあと1と迫った。2年連続の沢村賞投手に対し「チャンスも打てるボールもなかった。それでも粘ってということすらできなかった」とお手上げだった。

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