ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」の最終阪神戦(甲子園)で、13安打9得点の快勝を飾った。0-0の7回に打者一巡の猛攻で一挙5得点。投手陣も完封リレーで、交流戦は11勝7敗の貯金4で終えた。19年以来9度目の交流戦優勝の可能性も残した。リーグ戦は2位に浮上。23日から再開するリーグ戦は、本拠地で首位オリックスを迎え撃つ。

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過去8度の交流戦優勝を誇るソフトバンクが、11勝7敗の貯金4で全18試合を終えた。13日ヤクルト戦から始まった今季初のビジター6連戦も、5勝1敗と大きく勝ち越し。踏ん張りどころでの勝ち星量産に、藤本博史監督(59)は「みんなよく頑張ってくれましたね」と、ナインをねぎらった。

最終阪神戦は1イニングで試合を決めた。0-0の7回に、先頭の8番甲斐が左中間二塁打で出塁。その後1死一、三塁で、6試合ぶりに2番に起用された牧原大が左中間へ決勝の適時二塁打。「とにかく先制のチャンスで集中することだけでした。『気持ち1本』。そのままの意味です」。3回の第2打席では、左膝に自打球。一時ベンチ裏で治療を受けるなど苦悶(くもん)の表情を見せていた男が、文字通り「気持ち」の一打で勝利に導いた。

その後も近藤、代打野村勇、今宮の適時打で一挙5得点。これには藤本監督も「よくつながりましたね」とご満悦だった。8、9回にも2点ずつ奪い、13安打9得点。投手陣も完封リレーで快勝だ。セ・リーグ首位の阪神に勝ち越し、猛虎には10季連続で負け越しなし。甲子園で虎党にため息をつかせた。

19年以来9度目の交流戦優勝の可能性も残す。直接対決のないチーム同士や、3球団以上が勝率で並んだ場合は得失点率で順位が決まるため、この日の9-0というスコアは価値がある。指揮官は交流戦前に「上にいかないとパ・リーグのゲーム差が変わってくる。すごく大事な18試合。全力でいきます」と話していたが、有言実行の成績で18試合を終えた。

リーグ戦は2位に浮上。23日から再開するリーグ戦は、本拠地で首位オリックスを迎え撃つ。牧原大は「雰囲気はずっといいです」と言う。上昇気流に乗り、宿敵オリックスを倒す。【只松憲】

 

▽ソフトバンク今宮(7回2死一、二塁で左前適時打。2試合連続打点)「いい流れに乗って打つことができたと思います。続いていくことができて良かったです」

▽ソフトバンク野村勇(7回2死一、二塁で左前適時打)「得点圏にランナーがいたので、絶対にかえそうと思いました。追い込まれてしまいましたが、思い切った自分のスイングをするという意識を徹底した結果がいい方向につながりました」

◆得失点率差 9回終了の場合、DeNAが19日日本ハム戦に0-1で敗れた時は得失点率差が+・141となり、0-2では+・134。ソフトバンクは+・135(・1349)で終了しており、DeNAは負けても1点差ならばソフトバンクを上回れる。

◆交流戦優勝決定方式 勝率1位を優勝とし、賞金3000万円。同率で並んだ場合は(1)勝利数(2)直接対戦成績(2球団の場合)(3)得失点率差(4)自責点率差(5)チーム打率(6)22年交流戦順位を比較する。

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