そら、使うよ。高卒2年目の阪神前川右京外野手(20)が今季3度目のマルチ安打を放った。

初回2死で迎えた1打席目。ソフトバンク・スチュワートの160キロ直球を強振し、遊撃内野安打でチーム初安打を放った。きれいなヒットとはいかなかったが、剛球打ちに「内容としては結構良かった。いい形で結果がでたのは良かったと思います」と納得だ。

今季のウエスタン・リーグで右腕とは2打席対戦。三飛と三邪飛に仕留められていた。「(前は)なにもできていなかったので、何かしようと思って入りました」。4回の第2打席では156キロ剛球を、右中間二塁打としてチャンスメーク。しっかりと甲子園初長打とマークし、今季3度目となる3番の役割を果たした。

交流戦から1軍に初昇格し、5月30日の西武戦で1軍デビュー。翌月7日楽天戦では、98年浜中以来、高卒2年目でのクリーンアップに抜てきされ、初マルチ安打を放つなど、12試合で打率2割5分6厘と尻上がりに調子を上げた。「初めはどうなるかと思ったけれど、徐々に結果もでてきた。長打も出たので、交流戦は良い形で終えることができたのかなともいます」と収穫たっぷりの期間だった。

岡田監督も「ある程度バッティングはいける。守りも全然心配してない。右ピッチャーの時はどんどん使うよ。今、一番打ってるやんか」と絶賛した。本人はそれでも謙虚な姿勢を貫いた。「勉強になることはたくさんある。試合に出たら課題も明確に出るので、ひとつ、ひとつつぶしてレベルアップしていきたい」と表情は崩れない。「いい形で入れる準備をしたい」。頭も体も整えて23日からのDeNA戦(横浜)に臨む。【三宅ひとみ】

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