13年前に屈した“美爆音”に雪辱し、白星をつかんだ。日本ハム加藤貴之投手(31)が6回2/3を7安打2失点で5勝目を挙げた。この日は「ALL FOR CHIBA FES」と題したスペシャルイベントで、習志野高吹奏楽部がロッテの応援に参加。高3の夏、逆転負けを喫した習志野の爆音が鳴り響く中、踏ん張って6月初勝利を手にした。

オリジナル曲「レッツゴー習志野」が激しく鳴り響く中、加藤貴が必死で腕を振った。「ララララ~♪ ラ~ララ~ララララ♪ ナラシノ~♪」。7回1死一、二塁の場面では代打で登場した習志野OB池田を三振に。7回途中降板も白星は逃さなかった。「粘り強く投げていって。本当おんぷに野手に助けられた」。仲間への感謝を最優先する、いつもの加藤貴節で振り返った。

10年7月19日、千葉大会4回戦の相手が習志野だった。舞台は同じZOZOマリン(当時の呼称は千葉マリン)。1点リードの8回無死一、二塁、拓大紅陵の加藤貴は中越えの逆転2点三塁打を浴び、高校最後の夏が終わった。試合後は涙を流し、無言で球場を後にした。「本当に懐かしみながら。やっぱりいい音だなと思いながら聞いてました」。あれから13年。プロとして経験を積み、爆音を味方にしてみせた。

6月に入り3試合連続で好投も白星がつかず、新庄監督も「加藤君に勝たせてあげられたのは良かった。ずっと点数を取らせてあげられなくて」。今季初の5連勝。3位ロッテとの直接対決初戦を制しAクラスまで5差、借金も3に減らした。日本ハムの快進撃は、止まらない。【永野高輔】

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