侍ジャパン前監督の栗山英樹氏(62)が25日、北海道の生活拠点である栗山町で、3月のWBC優勝を記念した単独パレードに参加した。

出発前には、町の人口より3000人多い約1万4000人が詰めかけた前で、町民栄誉賞が贈られた。350メートルほどを徒歩で、途中で軽トラの荷台にも乗り、1時間あまり。ファンに応援への感謝を直接伝えると「感慨は終わり。次に向かって、しっかりと前に進みます」と言った。

栗山駅前の商店街を歩きながら「一番の恩返しは何か?」と考え、感じた部分があったという。「恩返しは言葉ではない。思いを伝える動きだったりする」。そのためには、再び現場に立つことも否定しなかった。「ユニホームじゃないよね。現実的にはね」と笑ったが、「そういう決め方をするのはやめようと。ユニホームを着ないとかじゃなくて」。本当に恩返しになるのなら、監督に戻る日が来るかも知れない。

日本ハム時代、12、16年の同町での優勝パレードは12月の雪が舞う中だったが、今回は初夏。それでも、おなじみのゴム長靴スタイルだった。「これが全国に定着するのが僕の夢」と冗談めかしたが、夢は正夢の栗山氏。肩書が何であれ、ロマンあふれる生きざまは変わらない。【古川真弥】