もう、コレ独走よ。阪神が宿敵巨人から同一カード3連勝を挙げた。終盤7回に粘り腰で同点に追いつくと、近本光司外野手(28)が決勝の6号2ランを放った。恒例の真夏ロードでの7連勝は68年の8連勝以来55年ぶり。2位広島には後半戦最大の5・5ゲーム差、貯金も今季最多「21」とした。最短で15日の優勝マジック点灯は変わらず。もう、岡田虎の勢いが止まらん。

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近本は振り抜いた打棒を高々と天に掲げ、ゆっくりと歩みを進めた。同点に追いついた直後の7回2死一塁。「(1発を)狙ってました」。巨人戸郷の内角148キロ直球を腕をたたんで強振。打球は大歓声と悲鳴が交錯したドームの右翼席へ。ベンチの岡田監督は両手を突き上げて立ち上がり、喜びの声を発した瞬間に口の中のパインアメがキラリと光った。7連勝をたぐり寄せる値千金の一撃だ。

「追いついた直後で、チームもいい雰囲気でしたし、緊張感のある展開の中で才木も頑張ってくれていたので打てて良かった」

1度つかんだ流れを手放さなかった。1点を追う7回無死一、三塁での木浪の打席。戸郷が不意を突く形で一塁へのけん制を試みるも、一塁手中田が投手から目を切っていたためファンブル。その間に三塁走者島田が本塁へ突入し同点。流れが阪神に傾き、近本はその波に乗った。

難敵戸郷を打ち崩した。昨季までは通算で39打数6安打の打率1割5分4厘、0本塁打と苦戦。だが、この日は5回にも15試合連続ヒットとなる右前打を放っており、今季は18打数8安打、打率4割4分4厘、2本塁打と攻略している。戸郷撃ちで2年連続の8月の敵地巨人戦3タテに一役買った。

真夏のロード期間中の7連勝は、68年の8連勝以来55年ぶりの快挙だ。岡田監督は8月の好発進に「出来すぎやろ。今週6つ勝つと思えへんかった」と驚きを隠さなかった。貯金は今季最多の21。2位広島には5・5ゲーム差をつけた。「大阪タイガース」の復刻ユニホームでの試合は今季6戦全勝。今季巨人戦は12勝4敗1分けで、残り8ゲームを残して早くも負け越しの可能性はなくなった。

8月の月間打率は3割6分6厘と好調をキープした近本は、ヒーローインタビューで「夏のロード長いですけど、しっかり水分補給して、疲れをとって頑張ります!」と叫んだ。最短今月15日のマジック点灯は変わらず。独走態勢に入った虎のスーパーリードオフマンが、チームをてっぺんまで押し上げる。【古財稜明】

▼阪神が3日中日戦から7連勝。夏の長期ロード期間中(高校野球開催中の甲子園以外での試合が対象)最長は68年8月18日中日戦~27日広島戦の8連勝で、あと1勝と迫った。なおこの期間の東京ドーム巨人戦での同一カード3連勝は、22年8月19~21日に続き2度目。この球場での長期ロード期間の巨人戦は、昨季から6連勝。88年の開場以降、21年まで長期ロード中は通算30勝79敗6分けの勝率2割7分5厘と大苦戦していたが、鬼門返上に成功した。

▼阪神の7連勝以上は今季3度目だが、今回はすべて敵地での白星。52年のフランチャイズ制以降、阪神にとってオールビジターの7連勝は68年8月20~27日、02年3月30日~4月6日(開幕戦から)に次いで3度目。68年は今年と同じ夏の高校野球(決勝は8月22日)02年はセンバツ(決勝は4月5日)で甲子園を使えない期間に記録している。これで今季の阪神はビジターで27勝21敗1分け、勝率5割6分3厘。セ・リーグでビジターゲームに勝ち越しは阪神だけ。

▼阪神の優勝マジック点灯は最短で15日。複数の条件があるが、阪神が11日からの4試合で4勝または3勝1分けのとき、広島とDeNAの結果次第でM28~30がつく。