阪神が7試合を残して早くも3年連続で「伝統の一戦」の勝ち越しを決め、優勝マジックを22に減らした。
0ー0の3回にドラフト1位ルーキー森下翔太外野手(22)が巨人先発戸郷から先制決勝の6号2ラン。12安打8得点の猛攻の起点となり、5連勝&最多貯金27を導いた。新人王を争う同僚の村上頌樹投手(25)も、先発で負けじと6回1失点で8勝目。アレへのカウントダウンとともに身内バトルも熱くなってきた。
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森下が有言実行の戸郷撃ちで快勝の起点となった。0-0の3回2死二塁。148キロ直球を完璧に捉えた。あと少しで左翼スタンド上段の看板を直撃した130メートルの特大弾。34打席ぶりの先制6号2ランは、プロ初のG倒決勝弾となった。
「最高のスイングができました。なんとか真っすぐを打てないと、戸郷の場合は打ち崩せないと思っていたので、当たりも完璧で最高の結果かなと思います」
戸郷は00年生まれで同学年。「プロの同年代で一番活躍しているのは戸郷だと思う。絶対負けたくない」と意識している。試合前までチームは今季3敗を喫し、自身も8打数1安打と抑えられていた。会心の一撃でリベンジを決め、ナインとハイタッチで喜んだ。活気づいた打線は、先発野手全員の12安打。戸郷相手には対戦4年目で最多の6点を奪ってKOした。森下は6回1死三塁でも左腕高橋から左翼への特大犠飛で計3打点。東京ドームでの球団最長タイとなる同一年5連勝に大きく貢献した。
頭の中をあえて空っぽにして臨んでいる。内角攻めや厳しいコースをさばけず、本来のスタイルが崩れかけた時期があった。思い悩んだ時、木浪が声をかけてくれた。「お前は考えすぎない方が打てるから、考えすぎるな」。背番号1もその言葉を信じた。「成長していくために、自分が変わらないと悪い状況は変えられないと思った瞬間でした」。考えすぎないことを頭の片隅に置き、力まず冷静さもキープ。心のコントロールもできるようになった背番号1が、進化を遂げて本領を発揮中だ。
新人王争いはこの日8勝目を挙げた村上が大本命みられるが、後半戦から3番に定着した森下の大まくりは目を見張る。開幕前には「新人王が一番取りたい。目指していく」と大目標に掲げ、一気に奪い取る勢いが増している。岡田監督も8得点の起点となった一撃に「楽な展開やった。ホント久しぶりよね」とにんまり。「早いイニングでのホームランは大きかった」と仕事ぶりをたたえた。
チームは5連勝で7試合を残して巨人戦の3年連続勝ち越しが決定。貯金も今季最多の27に増やし、優勝マジックを22に減らした。夏の長期ロードは17勝4敗の爆勝ちだ。「(巨人に)勝ち越せるように明日で決めたい」。カウントダウンを進める打撃で新人王にも突き進む。【三宅ひとみ】
▼阪神の優勝マジックは1つ減って22となった。今季初めて点灯した16日はM29だったが、一度に2個減ったことはまだない。17日以降に阪神○かつ広島●の日がないためで、異例のスローペースとなっている。
▼阪神は今季の巨人戦のカード勝ち越しを決めた。21年13勝9敗3分け、22年14勝10敗1分けに続いて3年連続。これは03年17勝10敗1分け、04年17勝10敗1分け、05年14勝8敗に次ぎ2リーグ分立後最長。
▼阪神は東京ドームでの巨人戦で、7月1日から1引き分けを挟んで5連勝となった。同一年では13年、21年(2分け挟み)、22年の各5連勝と並び、阪神最長となった。なお年をまたいでの連勝記録は6で、07年8月8日~08年4月5日(1分け挟み)。26日も勝てば同一シーズン最長、複数年でも最長タイの連勝となる。
▼阪神は戸郷から6得点。これは同投手から挙げた、チーム最多となった。また戸郷自身にとっても、今季ワースト失点。



