待望の優勝マジックが26日にも点灯する。

オリックスが逆転で2年ぶりの7連勝を飾った。ロッテをのみ込んだのは3-3と同点に追いついた6回だ。2死一、二塁から3番中川圭太内野手が、ロッテ種市の初球フォークに反応。うまく拾うと打球は二遊間を抜けた。「うしろにつないでいくという気持ちが、いい結果につながってくれた」。中嶋監督が「無敵の中川」と呼ぶ不屈の男が、逆境で試合をひっくり返した。

試合は決めたのは中川圭だが、お膳立てしたのは意外な男たちだった。2点差で追う6回。1死一、二塁から3年ぶり遊撃スタメンの9番山足が右前打を放って満塁。続く1番渡部の右犠飛で1点差に迫った。さらに2番西野が138キロフォークを捉えて左前適時打。5回に5月28日西武戦以来となるヒットを放った33歳が、2打席連続安打。押せ押せムードで中川圭にバトンを渡した。

26日ロッテ戦で勝てばマジック23が点灯。引き分けてもマジック24が出る。110試合で103通りと変幻自在のオーダーを繰り出す中嶋監督は「本当によく次につなげてくれた。みんなが本当にいい仕事をしてくれた」と6回の波状攻撃を絶賛。ただ、マジックに関しては「マジックってあなたたち(マスコミ)がつくった言葉であって…」と苦笑い。「目の前のやつ(試合)を勝っていくしかないじゃないですか」と変わらない。

チームに「脇役」という言葉はない。お立ち台に上がった西野は「(2軍で)悔しい思い、複雑な思いもあったけど、自分は自分で調子を上げないとチャンスが来ないと思っていた。そんなに多くチャンスはない。強気にいきました」。前日24日に昇格し、すぐにヒーローになった。2位ロッテとは今季最大の9・5差。激しいチーム内競争を推進力に、中嶋オリックスがゴールテープを切るまで全力で走り抜く。【桝井聡】

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