3位ソフトバンクが鬼門といえる杜(もり)の都で勝てない…。4位楽天との直接対決で痛恨の逆転負けを喫した。1点勝ち越した直後の7回。2番手又吉が2四球を与えるなど0回2/3を2失点とリードを守れなかった。チームは敵地・楽天モバイルパークで屈辱の7連敗。楽天戦は残り4試合を残し、2年ぶりの負け越しが決まった。1・5ゲーム差に迫られ、CS進出へ正念場が続く。

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呪縛を解くことはできなかった。9回。最後はあっけなく楽天の守護神、松井裕の前に3者凡退。1点差で競り負け、痛恨の逆転負け。敵地では屈辱の7連敗だ。4位楽天とは1・5ゲーム差に接近され、2位ロッテとは2差のまま。シーズンも残り13試合となり、三つどもえのAクラス争いから抜け出すことができない。

勝機を逃した。先頭への四球からだった。1点勝ち越した直後の7回。2番手又吉の制球が乱れる。計2四球を与え、犠打と進塁打で2死一、三塁のピンチ。2番村林に投じた2球目だった。やや真ん中145キロ直球捉えられ、打球は無情にも左翼手・増田の頭上を越えていった。2者がホームに生還。9月は8試合連続で無失点と好投を続けていたベテラン右腕が、1イニングを投げきれず2失点でリードを守れなかった。藤本博史監督(59)は「先頭のフォアボールがね。7、8、9回を投げるピッチャーはこっちが信頼して送ってるんやからね。打たれたらしょうがないやんか。それくらいの気持ちで投げてくれたら」と厳しい表情だ。

前日18日に20年以来3年ぶりのリーグ優勝の可能性が完全に消滅。129試合目でのV逸となった。CSを突破して日本一へ、3位以内を死守するためにも、楽天との直接対決は落とせなかった。敗戦投手の又吉は「自分のミスでこういう結果になった。間違いなく今日の負けはチームとして影響が出てしまう。本当に申し訳ないです」と肩を落とした。

楽天戦は残り4試合を残して8勝13敗となり、2年ぶりの負け越しも決定。20日も負けるようなことがあれば、ゲーム差は「0・5」に接近される。藤本監督は「全力で勝ちにいかないと。明日、全力で勝ちにいきましょう」と前を向いた。CS進出に向け、連敗だけは許されない。【佐藤究】