「東都6人衆」と呼ばれるドラフト候補の好投手たちがそろい踏みした。ドラフト1位候補の最速158キロ左腕、細野晴希投手(4年=東亜学園)は今季2度目の先発マウンドで8回2安打無失点。9三振を奪う力投で21年春以来の1部勝利を挙げた。。中大は同じくドラフト1位候補の西舘勇陽投手(4年=花巻東)が1安打無四死球、13三振を奪う準完全投球で亜大から完封勝利を挙げた。亜大・草加勝投手(4年=創志学園)、青学大の常広羽也斗投手(4年=大分舞鶴)と下村海翔投手(4年=九州国際大付)、国学院大・武内夏暉投手(4年=八幡南)もそれぞれ登板した。
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東洋大のエースが完全復活した。1-0の5回、細野は小雨が降りしきる中、味方の連続失策で無死一、二塁とこの日初めてのピンチを背負った。ここから「1点は仕方ないと思って割り切って投げられた」と後続を三振、一飛、二飛と3者連続凡退で脱すると、力強くガッツポーズ。笑顔で後藤聖基捕手(4年=京都学園)とハイタッチをしてベンチに戻った。
NPB5球団9人のスカウトが視察する中、スピードだけじゃないことを証明してみせた。序盤は最速151キロを計測した直球を多めに組み立てたが、「狙われて捉えられることが多くなってきた」とスプリットやカットボールなどを増やし、アウトの山を築いた。3回には四球で出した走者を自らのけん制で刺すなど、最後までスキを与えなかった。
開幕週はインフルエンザで登板できず、18日の1戦目も4回2失点で降板し、負け投手となった。初めて上がったマリンのマウンドでも動じず、力を発揮した。「迷惑かけていた分、今日とれたことはすごくうれしい」と笑顔を見せた。
チームは第1週の亜大戦に続いて、1部復帰から連続勝ち点。細野は単独首位にも「最下位を回避した結果が優勝争いにつながると考えている。目標はもちろん優勝なんですけど、まずは最下位を回避したい」。今季は「東都6人衆」と呼ばれる好投手がしのぎを削る舞台で、全力で1勝を積み重ねていく。【星夏穂】