DeNA東克樹投手(27)が、8回無失点の好投でリーグ独走の16勝目を挙げ、自身12連勝でCS進出に王手をかけた。球団では、83年遠藤に40年ぶりに並ぶ史上2人目の連勝記録を達成。最多勝争いでは2位の巨人戸郷、阪神大竹に4勝差をつけ、タイトルをほぼ確定させた。2試合連続の1-0勝利で4位巨人との差を4ゲームに広げ、27日のヤクルト戦(横浜)に引き分け以上で2年連続のCS進出が決まる。

16個目のウイニングボールを握り締め、東はフッと息を吐いた。「今日は本当に精神的に疲れました…」。CS争いのライバルとなる巨人が相手で、この日は守護神森原が足の張りでベンチ外。自身も直接対決で2敗し、チームも4敗を喫する山崎伊へのリベンジもかかる中、全ての重圧を快投ではねのけ、心身ともに疲労感に襲われた。

苦しむ東を支えてくれたのは、今季からコンビを組む“お母さん”だった。2回は1死満塁、3回は1死一、二塁のピンチを脱出。イニング終了ごとに捕手の山本がソッと近づき、声を掛けてくれた。ベンチはもちろん、ロッカールームで着替えてる時も「いろいろと口酸っぱく」。頭と心をリセットし、8回を無失点に抑えた。

「苦しいイニングがあったんですけど、(山本)祐大がまるでお母さんのように『次はああしろ』、『次はこうしろ』と指示をくれた。今日も祐大のおかげだと思います」

お立ち台では「祐大のおかげ」と、勝利後のお決まりフレーズでスタンドを沸かせた。実は直近2試合の先発では14日に阪神、20日にはオリックスのリーグ優勝が決定。リーグトップの白星を積み重ねる中、話題は優勝に独占された。「あまり目立ちたくないんで。しれっと生きたいタイプなんで、あまり気にしてないです」と笑ったが、“三度目の正直?”で1面を飾った。

リーグ独走の16勝目を挙げ、チームはCS進出に王手をかけた。球団タイ記録の12連勝も達成し「今までは気にしてないとか言ってましたが、球団に名を刻めたことは非常にうれしいですし、素直に喜びたいと思います」と笑顔で話した。最多勝をほぼ確定させ、最高勝率にも大前進。3年目を迎えた「番長DeNA」の一番の“孝行息子”へと進化を遂げた。【久保賢吾】

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