ポストシーズンの先発枠争いへ、阪神西勇輝投手(32)が盤石の投球を見せた。初回からスコアボードにゼロを並べ、5回まではノーヒットノーラン。6回2死から塩見に初安打を許しても「そんな簡単にできるものじゃないから」と一切動揺はなかった。直後の山崎を一ゴロに仕留め、ゼロ封。7回2安打無失点でつなぎ、岩崎のセーブをアシストした。
得点圏にすら進塁させない快投で、今季8勝目。17イニング連続で無失点だ。5日中日戦から3連勝中の右腕に岡田監督は「帳尻合わすのはうまいやんか」とニヤリ。「ノーノー」も見えた投球には「はよヒット1本打ってほしかったんですけど、1本出たんでね。代えやすかったですね」と笑った。現在、村上、大竹、伊藤将の2桁勝利トリオに加えて才木、青柳も控える先発陣。西勇の猛アピールは、CSファイナルステージの先発ローテーションにうれしい悩みとなる。指揮官は「今から考えたらしんどい、順番とか決めんの。相手もまだ決まってないしなあ」とはぐらかした。
女房役の長坂とは今季1軍初バッテリーとなった。7月5日に出場選手登録抹消され、約1カ月半の2軍調整を経験。調整期間中、2軍戦3試合全てでコンビを組んだのが長坂だった。ファーム時から意見交換しており、「前通りでいいよ」と信頼。お立ち台では「リードがすごく良くて。リズムよく投げられたし、試合前から1人で動画を見て勉強してる姿を見て『あ、こいつやったら大丈夫やな』と思いながら、腕を振ることができました」とたたえた。
虎党の前で締めくくった今季最終登板。「(良い)波をしっかりキープして、いい状態で自分のバトンを待とうかなという感じです」。15年目の右腕が勝負のポストシーズンに照準を合わせた。【波部俊之介】
■桐敷、10試合連続無失点
桐敷が1回無安打無失点で10試合連続無失点&13ホールド目をあげた。2点リードの8回に登板。ヤクルト打線を3者連続で内野ゴロに抑えた。「任された場面で先発投手の流れを持ってこられるように、ザキさん(岩崎)や後続につなぐことは意識しています」。中継ぎとしてフル稼働の2年目は「やることは変わらない。CSもあるので、調整をしていきたい」と気を引き締めた。