阪神が中日に完敗し、レギュラーシーズンの本拠地最終戦を飾れなかった。
岡田彰布監督(65)は満員の甲子園で、虎党の前であいさつし、10月18日に開幕するクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージへ万全の状態に仕上げることを約束。低調な打線を3週間で仕上げ、強い猛虎で甲子園に帰ってくる。
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本拠地最終戦のセレモニーで岡田監督がマイクを握った。満員のファンに呼びかけるように語った。「普段は最終戦で終わりなんですけど、今年はおかげさまでアレを成し遂げたので、まだこの甲子園球場をホームとして試合をすることができます!」。05年はまだCSはなく、球団にとって初の甲子園開催のファイナルステージだ。「最善の準備をして、10月18日に、またこの場に戻ってきたい」。派手な日本一宣言は出なかったが、残り3週間で万全の状態に仕上げることを約束した。
CSが不安になるような締まらない最終戦となった。甲子園公式戦ラストだからと、野手はベストメンバーを組んだが、つながらないままだ。4回に4番大山が2戦連発の17号2ランでの2点のみ。3点を追う6回無死満塁の絶好機でまさかの無得点。指揮官は「そら無死満塁でボール球、ボール球振っとったら」と嘆いた。5番佐藤輝は内角の厳しいボール球に詰まらされての三飛。ノイジーは外角低めボール球のスライダーで浅い中飛球に終わった。
ラストは白星で飾りたかったかという問いには「何回勝つんよ! そんな簡単に勝たれへんのやで。相手がいるんやから」と語気を強めた。それでも、今季甲子園では36勝23敗3分け。18年ぶりの胴上げも行った。京セラドーム大阪では8勝0敗、倉敷1勝0敗を加えたホームでは71試合45勝23敗3分けと王者らしい戦いを見せた。
「いつも超満員のファンに応援していただき、本当にありがとうございました。ファンの声援が選手のすごい力になったのは間違いありません」。復帰1年目で改めて感じた虎党の熱さに対する正直な気持ちだった。スタンドに両手を振る岡田監督に対して「岡田コール」とトランペットでの現役時代の応援歌が降り注いだ。
11連勝した時の勢いは今はない。打線が湿っていても、まだCSまで3週間もある。「最善の準備」をするには十分な時間がまだ残っている。【石橋隆雄】