ソフトバンク先発の有原航平投手が緊迫の投手戦を制して日本ハム時代の19年以来、4年ぶりに10勝をマークした。メジャーから復帰1年目の2桁勝利は16年和田以来、5人目だ。

「大事な試合だった。10勝よりもチームが勝ったことがうれしい」。ニヒルな男はヒーローのお立ち台でさりげなく言った。立ち上がりから攻めの投球だった。150キロ超の直球に自慢のフォークボールを駆使。西武打線を手玉に取った。4回までヒットは許さず無安打投球。5回先頭マキノンに初安打となる左二塁打を許したが、鈴木を見逃し三振、岸を遊ゴロ、最後は古賀をフォークボールで空振り三振に切った。

8回2死一塁で代打中村を迎えた。カウント3-0としたが「打ってくると思って力強いボールを投げようと思った」と147キロの直球で一飛に仕留めた。8回116球を投げ2安打無失点。「落ちるボールも有効的で、三振もいつもより取れた」。9奪三振の内容に少しばかり胸を張った。

2ケタ勝利の喜びよりも開幕に出遅れた悔しさも背中を押す。チームは2位死守へラストスパート。「開幕から投げられなかった思いは強い。もっと投げたい。次に向かって行きたい」。最終戦となる10・9オリックス戦(京セラドーム大阪)先発の可能性もある。頼れる男はまだまだ気を抜くつもりはない。【佐竹英治】

▼有原が日本ハム時代の19年(15勝)以来、4年ぶり4度目の2桁勝利。メジャーから復帰1年目に2桁勝利をマークしたのは、03年伊良部秀輝(阪神)、06年石井一久(ヤクルト)、15年黒田博樹(広島)、16年和田毅(ソフトバンク)に次いで5人目。

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