今オフ、ポスティングシステムを利用し米球界挑戦の意志を固めている日本ハム上沢直之投手(29)が「挑戦」のシーズンを総括した。一問一答は以下の通り。
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-今シーズンどんな1年だった
上沢 僕にとっては苦しい1年だったかなと思いますね。
-一番苦しかったのは開幕直後くらいか
上沢 それもありますけど、1年総じて結構苦しかったなと思います。
-春季キャンプを含めオフから取り組んできたことの手応えは
上沢 オフシーズンに取り組んだことが、なかなか、うまくつながって来なくて。自分の思い描いた物とは違ったシーズンになった。
-やはり投球フォームのことか
上沢 そうですね。なかなか、しっくり来ることがシーズン序盤から少なかったかなと感じます。
-投球回数170はキャリアハイ。数字の面では
上沢 長いイニングを投げたいと思ってやってたので。その点に関しては良いかなと思いますけど、もっともっと自分の中では出来ると思ってオフシーズン取り組んでいたので。
-具体的に納得できなかった部分は
上沢 投球のことで悩むことも多かったですし、シーズン中に自分の中で「このままいけば大丈夫かな」っていうのが少なかった感じがします。
-オフから目指していたフォームは時間がなかった
上沢 どうだろうな。時間がなかったわけじゃないですけど、もともと僕が投げていたフォームが人と違ったフォームだったのかなと思います。体の強さで投げるというよりは、しなやかさが僕にとっては大事なのかなって。
-次のオフはもう1度挑戦?
上沢 今年、チャレンジしきれなかった点というか、もともと自分がやってきたことを、もう1回取り組み直して。あとは、もっと体にフォーカスしたトレーニングをしていけたら。
-成績も残さないといけない中で新フォームはやめたか、継続したか
上沢 いったん、やめましたね。やめないとどうしようもなかった。どうしても名残があるので、そこと向き合いながら。全部が全部、悪かったわけじゃない。球数を結構投げても肩、肘に負担が来ることはなかったし、そういう点では取り組んだことがいい方向に出たのかなと思います。
-経験は来年に生きる
上沢 とは思ってますね。変えちゃいけないところは、ここなのかなって、すごく勉強になりました。
-苦しい時の支えは
上沢 リスクもあると思って取り組んだので覚悟はしてましたし、ある程度は耐えられたかなと。その中でも、家族、チームメート、監督、コーチが辛抱強く使ってくれたおかげかなと思います。チームメートに話を聞いてもらったり、みんなに助けられながらでした。
-チームメートとは
上沢 先発なら大海(伊藤)とか加藤さん(加藤貴)とたくさん会話をしたし、話すことで消化できることって、やっぱりあるので。たわいもない会話をしながら、次を迎える原動力になった。あとは、なかなか結果が付いてこないときも、監督、コーチが信頼して使ってくれたおかげで、長いイニングを投げることができた。感謝しています。
-メジャーの夢があったから具体的に行動を起こした
上沢 自分の中でレベルアップしたいという思いはあったし、だからオフシーズンにいろいろ取り組んだりしていた。自分で夢をかなえるために、何か変えた方がいいと思って、いろいろやりました。僕はプロ野球界で突出したスピードボールがあるわけでもないし、とんでもない変化球があるわけじゃない。全部を使いながら、ケガせず1年間タフに長いイニングを投げられますっていうのが、僕の強みだと思う。そういった点では、1年間しっかり投げられたのは良かった。
-次のステップへ自信は強まった
上沢 勉強になったというのは、すごくありましたね。取り組み方を変えて、ここが合う、合わないっていうのが、すごく勉強になったなと思います。オフシーズンに、こういうことに取り組もうっていう明確なビジョンはあるので、そこを取り組めれば、また、何か新しいものがつかめるんじゃないかなと感じます。
-メジャー挑戦を宣言したからこそ見えたものも
上沢 自分の夢を口に出して言うことは悪いことじゃない。そういう中で、こうやって出来たっていうのは、僕にとってはすごく良かったなと思います。
-今年メジャーは結構見ていた
上沢 見ていたというか、もともと見る機会も多かったので。千賀さん(メッツ)も行ったし、今まで一緒にプレーしていた日本人の選手がたくさんいるので、やっぱり見る回数も増えましたね。必然的に。
-刺激を受ける
上沢 千賀さんはアメリカでも、すごいんだなって思いました。藤浪(オリオールズ)も、いいピッチングをしていると、改めて僕も感じるものはあった。見る機会は、確かに去年よりかは増えたかなって感じはしますね。
-メジャーに関して新庄監督とやりとりは
上沢 まあ、そこまで深い話は特にしていないですけど、監督もアメリカでプレーした経験があるので、そのことについて、いろいろ話したりはしたことがあります。